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「「“ツインブースト”！！」」
「“ウズマキ・ザ・ハンド””」
佐久間と不動の必殺技“ツインブースト”が雷門ゴールに迫る。
押されているのは雷門の方だ……と思えば、DFのカバーにより難を逃れた。
「雷門は策が尽きたのでは？」
「いいや、まだあるよ。見てご覧」
フィールドを見ると、雷門が陣形を変えていた。
まるでシュートを打ってくださいとでも言うような陣形に。
それを罠だと知らずに、好機と捉えた帝国はどんどん雷門の陣へと攻め込んでいく。
「「「“皇帝ペンギン2号”！！」」」
“皇帝ペンギン2号”が雷門のゴールへと向かう。
しかし、その間には雷門の三人が待ち構えていた。
「「「“グラビティケージ”！！」」」
“グラビティケージ”と呼ばれた必殺技は“皇帝ペンギン2号”を難なく止めた。
そして、その後ろには雷門のFW2人とGKがシュート体勢に入っていた。
「「「“北極グマ2号”！！」」」
“北極グマ2号”と呼ばれた必殺技は強力な威力を保ったまま、帝国のゴールへと一直線に向かって行く。
「“ハイビーストファング”！」
「「止まれええええぇッ！！！」
「止める……ッ、ぐあああッ！！」
鳴り響くホイッスル。
4-3で雷門が逆転。
そして、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。
「そういえば、帝国に敗れたチームは調子を崩すって話だけど」
「チームの持ち味を殺す戦法によってスランプを生んでいる……でしたね」
「ああ。でもその話には続きがあるんだ」
ベンチから立ち、そのままフィールドを後にする影山監督の後ろ姿を眺める。
「帝国と戦ったチームはスランプの後、大幅に勝率を上げるって言うのは知ってるかい？」
「？ ……どういう事ですか？」
「強くなるんだよ。帝国と戦ったチームは」
この試合がまさにそれを証明している。
雷門の良さを殺した戦法を使っていたが、結果的には雷門も帝国も強くした。
しかし、それを上回る戦法を使ってきたのは雷門の監督、超金雲だ。
「何者なんだろうね、あの監督は」
未だに携帯を握ってゲームをしている超金雲を見つめるも、未だに笑みを浮べていた。
「さて、試合も終わったことだし帰ろうか」
「はい」
「A、立てるかい？」
「うん」
先程、頭痛に襲われた事で弱っているのか後半は大人しかったA。難なく立ち上がっていた所を見ると、どうやら平気らしい。
僕が歩き出すと、その後ろに西蔭とAが着いてきた。
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作者名：恵野 | 作成日時：2021年6月6日 0時
