カーストについて ページ4
『ちょ、静かにしてよ。私、君助けてるとこ見られたら不味いんだからね。』
太「ああ、最上位だから?」
知ってたんかい。なら尚更ナンパなんかすんなよ。王子様。
『兎に角いくよ。ここじゃ誰かに見られる。』
太「貴女の頼みなら何処までも行きますよ?」
『口調全然違うな。ホラ、立って。』
座り込んでいた濡れ王子様を立たせ、まあまあ日差しの当たる旧校舎の屋上までやってきた。最上位の権限で、旧校舎から好きな場所をひとつ自分専用にできるため私は屋上を選んだ。ここなら安全。
『拭くよ。ほら、脱いで。』
太「え」
『え』
なに言ってんだこいつみたいな目で見られる。え、なに?
『あ、言っとくけど自分で拭いてよ?私あっち向いてるから。』
太「なーんだ、そういう事か。……ちぇっ。」
ちぇっつったかこの人。あんまり言いたくないけど、自分のカースト分かってんのか。
太「ほら拭いたよ。で、私はどうすればいいの?」
『え、早く出てって……』
太「違う違う、そうじゃなくて。ほら、私はどうお礼すればいいの?」
お礼?
『礼などいらん。』
太「君ほんとに『学園の赤ずきん』かい!?」
その呼称、まじでどうかと思う。なんだよ「赤ずきん」って。
『っていうか私の事知ってたんだ。』
太「当たり前だよ。学園随一の美少女で、カーストに興味は無い最上位。」
夢主にありがちな設定かよ。
『カーストに興味ないわけじゃないよ。落としたくはないし。』
ほら、がっかりしたでしょ。だから早くここから出てってくれ。私はミルクティ飲んで寝たいんだ。
太「まあ、それはそうだよね。君今まで保健室で寝てたんでしょ?そんな事できるの最上位くらいだもんね。」
『え、なんでそれ……。』
太「知ってるのかって?スカートのしわとか髪の毛の乱れ方とか、あと君の歩くペースで計算した結果保健室が妥当かなって。」
……凄い。探偵みたい。
太「凄いでしょ。ってことで心中しない?」
『どういうことだよ。そんなこと言ってるから最下位なんでしょ、太宰君。』
屋上から出て行こうとすると、太宰君がついてくる。
やっぱり私、最下位に気に入られたみたいです。
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