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「ちゃんと俺のこと見ててよ」
こういう辰哉くんはズルい。
急にスイッチが入ったように私をすぐ翻弄する。
辰哉くんはアイドルで、こんなの慣れっこかもしれないけど私は……。
(あれ……モヤっとする……)
付き合ってるわけじゃないのに、嫉妬のような感情を抱く自分に呆れる。
「A」
心ここに在らずだったのか、辰哉くんは私の名前を呼ぶ。
視線がしっかりと合うと、辰哉くんは満足そうに目を細める。
「……ん、良い子」
そう言うと、私の頭の形を確認するようにゆっくりゆっくり頭を撫でる。
じわじわと熱を帯びてくる自分が怖くて、私は思わず後ずさる。
「嫌だった……？」
伺うような視線を送る辰哉くんに、私は首を振る。
「……欲張りになりそうで怖い……」
もっと触って欲しい、なんて思ってしまう自分が怖い。
辰哉くんは私のものじゃない。
「……欲張りになってよ。Aが全部くれるなら俺も全部あげる」
ギラついた辰哉くんの目が何かを訴えかけている。
本当に言っていいのだろうか。
私の勘違いじゃない？
辰哉くんに弄ばれてない？
いや、それはない。
辰哉くんはそんな人じゃない。
じゃあ信じていいかな……。
「……好き……私、辰哉くんが……好きっ……！」
言い終わるや否や、辰哉くんは噛み付くような口付けをしてきて、私は離れないように辰哉くんに縋り付いた。
リップ音とお互いの吐息が、この静かな部屋で余計に鼓膜を刺激する。
五感全てで辰哉くんを感じて胸が苦しい。
「……俺もAが好き。ねぇ、俺たち付き合おっか」
ようやく唇が離れると、辰哉くんはとろけた笑みを向ける。
そんな中胸がいっぱいの私は、こくりと頷くことしかできなかった。
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小袖(プロフ) - 爆きゅんしました( ; ; )♡ (2023年1月18日 18時) (
レス) @page37 id: 086580d8cf (このIDを非表示/違反報告)
六花(プロフ) - センさん» 応援ありがとうございます！マイペースになりますが更新楽しみにしていただけたらと思います！ (2022年12月17日 11時) (レス) id: 8a1fff5847 (このIDを非表示/違反報告)
セン(プロフ) - このお話めちゃくちゃ大好きです！これからもひっそりと応援しています。更新お疲れ様です。 (2022年12月16日 23時) (レス) @page37 id: 4a7d47f0c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六花 | 作成日時：2022年11月23日 19時
