_ ページ7
翌日、しょっぴーは加湿器新しいの買いたい言うて家電量販店へ。
「やっぱ、お前に聞いて正解だったわ」
お目当ての物が買えたみたいで、しょっぴーはニコニコと加湿器の箱を大事そうに抱えた。
「お客さんが満足できたようで何よりですぅー」
「ふはっ。お前誰だよ」
わざと丁寧に頭を下げると、しょっぴーは吹き出す。
しばらくしょうもない会話をしとったら喉が乾いて、コーヒーでも買っていこうということになった。
店に到着してそれぞれ注文した飲み物飲みながら、俺の車が停まる駐車場へ向かう。
「えー、いいじゃん」
「ちょっと遊びに行くだけじゃん」
おーおー、ナンパかい。
１人の女の子に２人の男。
背中側でどんな女の子かは見えへんけど、困ってる様子。
「いや、もう急いでるんで……」
ん？ この声は……。
あまりに聞き覚えがありすぎて、俺は慌ててナンパ現場に大股で向かう。
背後からしょっぴーが、おい！ とか言うてるけどしゃーないやん。
「あー、ちょっとお兄さん方。俺の連れなんすわ」
背後から女の子の頭にぽんと手を置いて、口元だけで笑ってやる。
すると悔しそうにさっさとはけていく男２人。
「康二くん！」
「大丈夫やった？」
そう、ナンパされとったのは紛れもないAで、ホッとした表情を浮かべる。
「え、どういうこと？」
そして背後からしょっぴーの伺う表情。
あ、俺付き合っとること言うてなかったわ。
「ひぇぇ……」
そしてAはしょっぴーを見て卒倒しそうになって、事態はぐちゃぐちゃになってもうた。
「あー、とりあえず車乗ろか」
苦笑いでそう言うしかなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 187人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：六花 | 作成日時：2022年9月21日 22時
