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２．初対面その１ ページ5
「じゃあ行ってきます」
「はーい、行ってらっしゃい。頑張ってね」
Aの家から仕事に行く時は、ちゃんと見送りをしてくれる。
本当はできることならまだ一緒におりたい。
「ありがとな」
名残惜しいけど仕方がない。
そう、仕方がないんや。
大事なことやから２回言うたで。
Aにそっとキスをすると、嬉しそうに笑う。
あー、もっかいしてええかな。
「康二くん、遅れちゃう」
「……ん、もっかいだけ」
さっきより長めに口付けると、Aは恥ずかしそうに視線を逸らした。
「じゃあ、ほんまに行ってくるわ」
玄関が閉まるギリギリまでAの表情を伺うんやけど、いつも寂しそうに笑う。
玄関が閉まった瞬間からもう会いたい。
あー、これはあかんなぁ。
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作者名：六花 | 作成日時：2022年9月21日 22時
