39--甘い匂い ページ39
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「……………全く人の気配がしないね」
「…………あぁ、変だ。」
あの(自称痴話)喧嘩から丸1日。しのぶさんや義勇さんに見送られながら夕刻に蝶屋敷をでて任務先へと向かってきた私たち。
いや〜今世で頂いたこの顔面を最大限に活用して上目遣いした私を心から褒め称える。
まぁ、2人っきりだったら尚よかったんだけど。
……………チラリと相も変わらず騒がしい後方へと視線を向ける。
「ギャァァァ!!?!た、たんじろォォォAちゃあぁぁぁん!!!絶対なんか来る、っていうか俺死んじゃうもうイヤァァァァァァ!!!!」
「おい紋次郎!!!ありゃなんだ!!もしかして……この地のヌシか!!?」
ヌシなわけあるかッッ!!
知らないの?あれ電柱って言うんだよ?………あ、ごめん山育ちだったね伊之助ごめん……。
ひたすらイケボの無駄遣いをしている煩い善逸と電柱をヌシと信じて疑わない伊之助。
なんで着いてきたの。寂しかったの?炭治郎と二人っきりだなんて怒ったかんな!許さないかんな!橋本か〜〇〇!!みたいな??
いや、別に2人がいるの嫌じゃないけどね?
………あと伊之助さっきから紋次郎紋次郎言って引っ張ってるその袖私の。
伊之助ギャンかわと思いながら前を歩く炭治郎をちらりとみて
「こんな事ってあるのかな?」
「いくら小さな町でも、人の気配がしないのはおかしいな」
霧が出てきた。もう夜も遅いし、離れてしまわないように中央に寄る。ヒ、ヒェッ、炭治郎のか、か、肩がふれっ
………………途端にふわりと甘い香りが鼻をかすめた
「…………………炭治郎」
「ああ。来る!」
霧の奥からする甘い匂いが段々と濃くなってくる。間違いなく、人の血の匂いだ…………。
血の匂いを甘いなんて思ってしまうのやだなー私が鬼って自覚させられてるー。
ふと、私の袖がくいっと引っ張られる。
「……っと、……善逸…?」
「…………Aちゃん」
「……?」
そういえば、さっきまではずっと叫び散らしていたのに、霧が出始めてから途端に静かになったなぁ…もしかして私と距離が近かったから興奮し
「____逃げて」
「………………ぇ」
その言葉を最後に横にいた炭治郎も私の袖を掴んでいた伊之助も
目の前に居たはずの善逸も瞬き一つした瞬間、私の前から忽然と姿を消した。
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メア(プロフ) - やあさん» アニメ以降の無限列車編のみネタバレとなります! (2019年12月16日 8時) (レス) id: 80100b30c6 (このIDを非表示/違反報告)
メア(プロフ) - 紅葉さん» お返事遅くなりすみません!うおお好きが沢山…めっちゃありがとうございます!!続編から先もよろしくお願いします!! (2019年12月16日 8時) (レス) id: 80100b30c6 (このIDを非表示/違反報告)
やあ(プロフ) - この作品、ネタバレありますか…?? (2019年12月16日 2時) (レス) id: 3fd8182389 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - むっちゃ好きです大好きですこんな素晴らしい作品をありがとうございますそれでは続編行ってきます!(ノンブレス) (2019年11月24日 9時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
メア(プロフ) - カオリさん» そうなんですか…!すみません、ご指摘ありがとうございます!頸動脈切ったら即死に変えさせていただきます! (2019年11月11日 20時) (レス) id: 80100b30c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メア | 作成日時:2019年10月5日 22時