転生したら鬼になったからとりあえず推しに斬られに行こうと思う。(１)【鬼滅の刃】

11--しのぶさん ページ11

「……全然帰ってこんぞ」


といってもたぶんまだ5分くらいしか経ってないと思うけど。でも1人で過ごす時間ほど長く感じるものってないじゃん？

善逸は人の意見も聞かずに大福取り行ってから戻ってくる気配ないし。炭治郎は何処に行ったのかもどこに居るのかも全くわからない。困った。


なんか、迷子みたいだ私。悲しい。一応前世では16歳のJKしてたんだけどなぁ。


ふと。背中へ凄まじい殺気と共に風を切る音がした


はやい




「＿＿＿＿＿あら。避けるんですか。苦しまずに殺してあげようと思ったのですが…。」


残念です。そう、綺麗に目の前の女性は笑った。


……………しのぶさんだ。

ゴクリと首を鳴らす。


危なかった。あと一歩反応に遅れていたらたぶん心臓を一突きされていた。あの凄まじい殺気に気づかなければ今頃私は………。

汗がゆっくりと額に浮かぶ。


「まさか、自分の屋敷が鬼に忍ばれるなんて思ってもいませんでした。どのような血気術を使われたのですか？」

「…ッ…………」


漫画やアニメで見た時の比じゃない。

瞬き一つした間にしのぶさんに至近距離まで詰められていた。早い、あまりにも早すぎる。こんなのついていけるわけっ……。

ないと思った。思っていた。

けれどそれに反するように私の体は何不自由なく突き付けられた刀をよけてまた一定の距離をとる。


「へぇ………ただの鬼ではないようですね。でも＿＿＿次で最後です。」




蟲の呼吸_____蝶ノ舞、


あ、ここで終わるんだと。直感的にそう思った。常に崩すことの無い笑顔のまま、しのぶさんは型を使う構えをした。



「しのぶさん!!!」



目を瞑り、ただ刺されるのを待った。

だが。来たのは激しい激痛ではなく、炭治郎の叫び声だった。

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