滅亡を求む不死身な転生者【NARUTO】

布団の中から出たくない　中編 ページ20

柱間にとって、
うずまき一族との同盟に父と共について行ける。

それは少しだけ自分が一人前の男であると
そう父に認められたような、
そんな気がした。

しかし、
実の所行ってみれば
柱間の予想とは全く違ったものであった。

父である千手仏間は自分と弟である扉間を
うずまき族長に一度紹介しただけで、
後はよくわからない話ばかり。

(つまらんぞ…)

そんな事を思いながら柱間は
何か興味を引くものをと、
キョロキョロと視線を動かす。

突然、裾を引っ張られた。

扉間だ。

「兄者…落ち着きが無さ過ぎだ。」

こそっと彼に耳打ちされ、
柱間は口を尖らせる。

自分自身が注意力散漫であるのはわかる、
勉強だって弟の方が出来る事も…
なんだったら自分はそれよりもまだ幼い弟達のお守りをしていたい、
そんな事さえ思うのだ。

しかしながら、
こんな何も面白くもない場所で
何かよくわからない話を聞きながら、
じっとしていろだなんて言う方が酷じゃないか？

「だけどなぁ、扉間、」
ふと言い返そうとしたその時、
柱間は微かにその臭いを感じ取る。

戦争では当たり前のようにそれは充満している。
しかし、こんな戦争でもない場所で
その臭いがする筈がない。

(これは…！)

柱間はこの頃からとっても純粋だった。
誰かが困っていたら、
自分の利害関係なく助ける、
その信念が彼の中では生きていた。

柱間はその臭いがする元凶へと走り出す。

「柱間？！何処へ行く！

柱間！！」

「兄者っ？！」

柱間の異常な行動に気がつき、
自分を呼ぶ父と弟の声が聞こえた。

しかし、彼はその歩みを止めなかった。

誰かが怪我をしているのかもしれない、
そんな強い思いが今の彼を突き動かしていたのだから。

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