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扉を開けて家に入ると廉が立っていた。
「 なんだ、帰ってたんだ 」
靴を脱いで家に上がる。
正直に廉と家族と言うことを言えなかった罪悪感で
不思議と涙は流れてこなかった。
「 海人に距離置こうって言われちゃった 」
「 聞いてた 」
「 だろうね、ここに立ってれば聞こえちゃう 」
リビングに入って水を一気に飲んだ。
それでも消えないモヤモヤは溜息へと変わる。
「 廉との関係を言わない限り誤解され続けるよね 」
「 もういっそそのまま言わんでもええよ 」
部屋のカーテンを閉めて私を見た。
カーテンの隙間から漏れる光が部屋を一筋だけ明るくさせる。
「 家族って知られたら進まへん関係もある 」
「 え？どういうこと？ 」
「 知らん 」
その場から離れてリビングと廊下の狭間で立ち止まると
「 病み上がりやねんからゆっくり休み 」
そう言って階段を登っていく。
頬を触るとまだ熱を持っているような気がした。
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作者名：いと | 作成日時：2020年10月13日 18時
