百三二 ページ32
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Aは動揺などを見せることをなく、普段通り返した。自分の事を案じて言ってくれているのだろうか。
「荒川、何をそんなに必死になってるんだ」
「だって!!!!だって!!!!
推しCPが!!!!!あ、」
突然に感情を露わにした荒川は嘘泣きを初めて、本音をモロだしした。付き添いの男と明智はなんの話をしているのか理解していない様子だ。
お忘れである方はお教えしよう。荒川澄香は現代から来た腐女子である。
「お前ってやつは…」
思わず頭を抱えた。荒川は相変わらず駄々を捏ねている。それにしても、俺と信長の関係を戻すためにそこまで考えるのか。他に頭を使え。
「で、なんで謀反の選択肢があったんだ」
「あ、やっぱり興味あります?」
少しの期待でも持つような目で見つめてきたが俺はバッサリと切り捨てる。
「ないわ阿呆。信長に殺されるのが落ちだ」
「も〜挑戦してみればいいのに…」
少なくとも、こんな体では無理だな。が、荒川はあっさりと諦めた。そして開き直った。
「まぁいいですよ、先生には織田に戻ってもらいます。別人として。
勿論、徳川に来るとかいう選択肢は嘘です」
「誰かに気付かれてもいいのか?」
ハッキリ言うと信長には気付かれる気しかしない。俺にはこんな特徴的な紫の髪。猫のような金の瞳。流石に隠せられる気がしない。
「駄目ですよ?今、貴方は織田の裏切り者ということになっています。そんなことないですけど信長さんは貴方を追い出すだけかもしれない。けれど…家臣の人には痛めつけられるかもしれない。囚われた状態で信長さんの前にでたら信長さんは先生を処断することしか出来ません」
「さっきからよく分かりませんが。そのような無責任で危険なことを帰蝶様にはさせられません。それから、何故帰蝶様のことを先生、と」
「明智さんは先生の性知ってますか?」
唐突何を言うのだ。まあ恐らく気付かれてはいるだろうな、延暦寺で僧に同衾を強制され、その後の俺を助けてくれたはずだ。勿論身体は見られているだろう。
明智は気遣うように俺に視線を向けてくる。俺はなんの反応も示さなかった。
「知っていますよ」
「じゃあ危険も何も…簡単ですよ。明智さんが守ればいいんです。男性らしい素の彼を。
少しでも先生に幸せになって欲しいと思われているなら協力してくれませんか?無理ならこの人に頼みます」
そう言って軽々と付き添いの武将を差し出した。彼はなんの事だ、と未だに理解していない様子だ。
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愛之助(プロフ) - そうです《自主規制》のひとりごとです^^ (5月21日 19時) (レス) @page39 id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - ま、まさか……薬〇のひとりごと……!? (5月21日 19時) (レス) @page39 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 玲さん» 作品の目次ページにボタンとCSSて書いてあるとこでオフにして貰えたらノーマルになるのでお願いします〜🙏💦 (2022年7月10日 21時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
玲 - すいません。とっても面白いんですけど背景のせいで文字が見にくいです。 (2022年7月10日 20時) (レス) @page39 id: be882aa841 (このIDを非表示/違反報告)
なーーみ(プロフ) - 愛之助さん» もう本当に感謝しかないです( ; ; ) ありがとうございます。 これからも頑張ってください。応援してます!! (2021年5月17日 22時) (レス) id: af11d71d69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大手裏剣 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時:2019年9月29日 1時