百十四 ページ14
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「がっ…!!」
男は床で局部を抑えて、冷や汗をかきながら失言だ。すまない、と頭を下げてきた。
Aは人間ではない別の何かを見るかのような蔑む目で見た。
「俺を馬鹿にしているのか?俺の何を見て痴女だと思った、そんな恥晒しな異名は誰が名付けた。
しかも、センスを一切感じられないわ、酷いわ。
誰だその名前で呼び始めたのは」
男はAの突然の豹変に俺…?聞き間違いではない…?と困惑している様子だ。Aは割とすっかり落ち着くとふぅ、と一息つき畳の上に正座した。
「…私は、恐らく人質としてここに来た。
織田の帰蝶Aだ。まあ濃姫でもよいわ」
「帰蝶A…」
男は目をカッ開くと、礼を正ししっかりと頭を下げた。
「数々の非礼失礼した」
「…武士が簡単に頭を下げるものでは無い。気にすることは無い、私も同じようなものだ」
「
今の間はなんだ。まあ、敵国の野郎に名乗ってやる必要も無いか。こっちも潜入している訳では無いから、聞き出さなくてもいい。誰だろうと関係ないのだから。
「そうか。晴殿か」
綺麗な赫い瞳だった。燃えるような炎のようだ。信長も赫い瞳を持っていた。信長は無事なんだろうか、また刺客に襲われていないだろうか。伊賀の三大上忍、百地丹波。強かった。自分が先に死ぬと思っていたが、初めて怖くなった。信長を失うかもしれないと思った。こんな歴史知らない。
「濃姫殿、大丈夫か?」
手が震えていた。手を握られて、少し心配そうにAを見てきた。不安で仕方がないのに、相談出来るような相手もいないし、いたところでどうにも出来ない。
「ここは怖いか」
「違う、ただ…信長のことだ」
Aの心境を思ってか、眉を下げて悲しみが分かるような顔で晴信はいた。Aはそう思っていた。
が、そっと顔に手を添えゆっくりと覆い被さってきた。は?、と呆けた顔で晴をAは見上げるが晴は一切聞いていない。
「身体は寂しいだろう、疼かないか?」
「晴殿、その強引さと空気を読まない所は嫌いではないが。
愛しい者以外にされても何も感じない、触るな変態」
Aは晴の首に足を絡みつけると容赦なく、畳に晴の顔面を打ち付けてやった。歳を次第に重ね、鈍くなっていく身体のはずなのだが、未だ武将並の体力はご健在ようである。
「いいな、興奮する」
「鼻血出てるぞ、気持ち悪い」
少々Mっ気もふくんでいるような変態らしい。
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愛之助(プロフ) - そうです《自主規制》のひとりごとです^^ (5月21日 19時) (レス) @page39 id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - ま、まさか……薬〇のひとりごと……!? (5月21日 19時) (レス) @page39 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 玲さん» 作品の目次ページにボタンとCSSて書いてあるとこでオフにして貰えたらノーマルになるのでお願いします〜🙏💦 (2022年7月10日 21時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
玲 - すいません。とっても面白いんですけど背景のせいで文字が見にくいです。 (2022年7月10日 20時) (レス) @page39 id: be882aa841 (このIDを非表示/違反報告)
なーーみ(プロフ) - 愛之助さん» もう本当に感謝しかないです( ; ; ) ありがとうございます。 これからも頑張ってください。応援してます!! (2021年5月17日 22時) (レス) id: af11d71d69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大手裏剣 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時:2019年9月29日 1時