ベビーブーム4 ページ5
我が子やフォリア達に、今ある平和を引き継いでいく。
Aの心に芽生えていた夢が、より確実なものとなった。
母親の元へフォリアを返そうと思ったところで、マルティナがホメロスにも声をかけた。
「ホメロス、貴方も抱いてあげてくれる？」
「……はい」
Aからホメロスの腕へ、フォリアは抱かれる。
Aもそうだったが、ホメロスもエリオスの時より手慣れた手つきで抱いていた。
我が子を託したマルティナ、グレイグもそれに対して不安な様子はない。
幸せなひと時を過ごしたAとホメロスは、招いてくれた礼を述べて夫婦の寝室を後にした。
マルティナはもっといてくれてもいいのにと惜しがったが、産後の身体に無理をさせてはいけない。
城ですれ違う人々と挨拶を交わしながら、やがて城門を出る。
そのまま自分達の邸まで、２人は歩く速度をやや落としながら帰った。
「フォリア姫、可愛かったわ」
「そうだな、母親似の美女に成長されるだろう」
自分と同じ感想を述べるホメロスに、相槌を打つ。
「そうよね！ホメロスも同じ事を思ったのね」
「やはりお前もそう考えていたか。――――――グレイグに似なくてよかったな」
意見が合ったのが嬉しいのか、目を細めながら言った最後の夫の言葉に、Aは笑ってしまった。
「ホメロスったら、グレイグに失礼よ。でも―――そうね。あの２人の娘だからとんでもなく強くなるかも」
「城の壁を蹴り壊すぐらいするかもな」
いつになく軽口を叩くホメロスにやや呆れながらも、穏やかな気持ちで帰宅する。
邸の中ではいつもの様に、マルゴーが迎えてくれた。
「お帰りなさいませ、ホメロス様、A様」
「ただいま、叔母様」
「留守中変わった事はなかったか」
「はい、何事もございません。――ああ、１つだけ。エリオス様が半刻ほど前に目覚められてたいそうお泣きでした。ご両親と離れてお淋しかったのでしょう。泣き止むまで時間が掛かってメイドも少々疲れ気味でございます」
冗談めかして言うマルゴーに、Aは詫びた。
「あら、それはごめんなさい、叔母様。エリオスにも謝らなくてはね」
心からそう言いながら、エリオスが眠る部屋へと向かう。
謝罪は勿論だが、それ以上に我が子への愛しさが募り、今日はこれからずっと傍にいたいと思った。
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遠山すずか(プロフ) - リスタさん» リスタ様、コメント有難うございます！当小説を読んで頂けてとても嬉しいです^_^不定期ですがこれからも更新頑張ります。 (2022年9月7日 10時) (
レス) id: 370e3ef134 (このIDを非表示/違反報告)
リスタ - 初コメ失礼します！ほとんど見ました！面白いです♪ (2022年9月6日 23時) (レス) id: 85e8ed9632 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遠山すずか | 作成日時：2022年8月13日 3時
