現在編１７−命の大樹にて 救命― ページ25
どうやら無意識にホメロスを庇い、同時にデルカダール王から離れる様に飛びのいたため、致命傷は免れたようだ。
だが決して浅くはない痛みに耐えるAの背に、冷徹な尋問が浴びせられた。
「何をしているA。人民をたぶらかし世を乱した悪魔の手先をなぜ庇う」
意識を失いそうになりながらも、Aの頭は素早く回転していた。
「儂は王としてホメロスを処罰せねばならぬ。それを邪魔立てするならお前も裏切り者じゃ！」
デルカダール王の言う事は至極正論だ。
だがグレイグ同様に我が子同然に思っていたはずのホメロスを迷わず切り捨てようとした。
その違和感に対し、Aは確信する。
「裏切りなど・・・とんでも・・・ございません！私は・・・国を思えばこそ、止めたのです・・・っ」
「何？」
Aのつかえつかえの弁明に、デルカダール王の目は鋭さを増す。
「ホメロス・・・将軍、が、悪魔の手先、だと言うなら・・・っ、処刑、するのは・・・その糸を引く者の、正体を・・・暴いてから、でも、遅くはない、はずですっ。・・・それとも」
Aはゆっくりと深呼吸をするとデルカダール王に向き直り、目に強い意志を宿し、言葉を続けた。
「今、すぐに・・・抹殺せねば・・・不都合が、おありなのでしょうか？」
「・・・！」
デルカダール王は表情を殆ど変えなかったが、鋭い目から動揺の色が走るのをAは見逃さなかった。
やがて微かに息をつくと、口を開いた。
「よかろう。ひとまずホメロスは城へ連れて帰ろう。じゃがお前の態度も不問にする訳には行かぬ！ホメロスと共に地下牢に入るがよい！」
「・・・はい・・・」
ひとまずホメロスが助かった事に安堵し、Aは意識を手放した――――――
現在編１８−地下牢での追憶―→←現在編１６−命の大樹にて 再会―
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遠山すずか(プロフ) - りぃんさん» りぃん様、最後まで読んでいただきありがとうございました！またお気遣いのお言葉も、本当に嬉しく思います。短編の方も頑張って更新していきますので、またよろしくお願いいたします。 (2018年5月25日 16時) (
レス) id: 1a8ae502d9 (このIDを非表示/違反報告)
りぃん(プロフ) - 完結おめでとうございます！お体を優先に気長に短編お待ちしております。本当に大好きな作品でした。 (2018年5月25日 16時) (レス) id: 7ca0ccb51c (このIDを非表示/違反報告)
遠山すずか(プロフ) - りぃんさん» りぃん様、コメントありがとうございます。ホメロスへの救い欲しさが募り、この連載の執筆に至りました。楽しみにして頂いているとの事、とても嬉しいです！頑張って更新していきたいと思います。これからもよろしくお願いします。 (2018年5月14日 10時) (レス) id: 1a8ae502d9 (このIDを非表示/違反報告)
りぃん(プロフ) - 初コメ失礼します。この小説とても楽しみに読ませて頂いてます！更新頑張ってください！ (2018年5月14日 10時) (レス) id: 7ca0ccb51c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遠山すずか | 作成日時：2018年4月26日 18時
