4話 ページ9
「うっ……」
目を開けると日差しが眩しく差す窓が目に入る。
見慣れない場所に少し戸惑うと、昨日の夜の出来事を思い出す。
そして、ここはホテルなのだとやっと理解。
「やっと起きました？」
いつものように、不良のくせに早起きの由梨が私に声を掛ける。
由梨は既にいつもの私服に着替えている。それに比べて下着だけを身につけている私。
由梨のいる方向に時計が掛かっていて、その時計はそろそろ9時を指す時刻だった。
「喉、痛っ……」
由梨に話しかけようとすると喉がズキっと痛む。そして、無意識にそんな言葉がもれてしまった。
「昨日、声出しすぎたんですね」
「流石にあれはやり過ぎでしたかねー」
と。由梨が少し笑いを含めた言い方でそう言葉を返してくる。やり過ぎだったと自分で分かってるならまだ良いが、昨日は本当に死ぬかと思った。もう……今、死んでるんじゃないかってぐらい。
今も尚、笑って誤魔化そうとする由梨に少しだけ腹が立ち体を布団で隠しながらプイっとそっぽを向く。
「許してくださいよー」
由梨は笑いながら私に向かってそう言ってくる。一向に目を合わせない私に、由梨は何と思ったのか、
「ちょっ……！」
いつの間にか近付いていた由梨は、布団に入ってきて私を押し倒したのだ。
下着姿の私、そして私の目をしっかり捉えてくる由梨。
これ、まずいんじゃ。
「もしかして、もう1回やりたいんです？」
そして意地悪にニコッと笑う悪魔。私はそれに対し、
「も、もう許すからっ！ほ、ほら！帰り支度しよっ！」
と振り切ることしか出来ない。
あはは、と笑う由梨と未だに少し腹を立てている私。
「後で、パンケーキ奢ってあげますよ」
「許す」
こんなことで許す私は、意外と単純なのかもしれない。
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ゆ - 尊い (2019年5月12日 17時) (
レス) id: 0c30cd4e30 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのキッコーマン(プロフ) - 途中までしか見ていませんが、とても僕はこの作風好きです!これからも更新頑張ってください! (2019年5月5日 18時) (レス) id: 6ae7a02465 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく(プロフ) - ありがとう御座います！そんなこと、あるんですね笑 もしかしたらその小説の作者さんと気が合うかもしれません笑(？) (2018年12月31日 14時) (レス) id: b9c47787f2 (このIDを非表示/違反報告)
Fall ill apple(プロフ) - お気に入りさせてもらいました。余談ですが私の好きな小説の主人公(？)と同姓同名で少し驚きました…笑 (2018年12月31日 13時) (レス) id: c31f5fcd9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪見だいふく | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mayu02071/
作成日時：2018年12月29日 16時
