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6話 ページ11

「あっ、桃子ちゃんだ!」



家に帰り、テレビをつけるとバラエティ番組に出ている桃子ちゃんが目に入る。
いつもは家で家族のように話してるけど、本当は凄い人なんだなぁと改めて感じる。



「凄く、輝いてますよね」



私と由梨はテレビに釘付けになっている。そこには、大御所芸能人と楽しげに話している桃子ちゃん。私は「凄いなぁ」と声をもらす。


「あ、それとパンケーキありがとね」


と。お礼を言うのを忘れていた気がしたので私は由梨に感謝を伝える。
しかし、彼女はテレビに見入っているばかり。
多分、私の声が聞こえていないのだろう。


「お、おーい?」

「……、あっ、なんです?」


やっと気付いてくれたようだがテレビのことは気になっている様子だ。
私が、「テレビ、そんなに気になる?」と笑いながら彼女に問いかける。
すると「そうですね」と微笑みながら肯定をする彼女。



「桃子さんって、私と真逆なんですよ」
「とても輝いていて人生が楽しそうなんです」
「だから、憧れてるんですかね」




と。彼女は、なおテレビに映る桃子ちゃんを哀しさを帯びた目で見ながらそう言葉を放った。



由梨は、学校で問題を起こしてばかりで退学になったらしい。
親からは暴力を受けていて、愛を受けずに育ってきた。
それからは町をぶらぶらしながらヤンキーと殴り合いの喧嘩をしていたり。
前に聞いた話では、彼女はかなり壮絶な人生を歩んでいる。




「由梨も、輝いてるよ」

「え?」



私は口からポロッとその言葉が出る。その言葉に彼女は少なからず疑問を抱いたのだろう。いつもの敬語を忘れ、タメ口で私に聞き返している。



「さっきパンケーキ奢ってくれたとき、ずっと幸せそうに笑ってたよ」



と。私は正午の記憶を思い出しながらそう言葉を放った。
「自分では気付いてないだけ」とそうやって彼女に言葉を掛ける私。

すると彼女はクスッと笑い、



「きっと桃子さんと、咲良さんと出会ったからです」



と少し照れながら声を出す。


私はこの状況に幸せだな、と感じる。

そう感じられる私も、きっと輝いているのだと感じたのだった。

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設定タグ:百合 , GL , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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- 尊い (2019年5月12日 17時) (レス) id: 0c30cd4e30 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのキッコーマン(プロフ) - 途中までしか見ていませんが、とても僕はこの作風好きです!これからも更新頑張ってください! (2019年5月5日 18時) (レス) id: 6ae7a02465 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく(プロフ) - ありがとう御座います!そんなこと、あるんですね笑 もしかしたらその小説の作者さんと気が合うかもしれません笑(?) (2018年12月31日 14時) (レス) id: b9c47787f2 (このIDを非表示/違反報告)
Fall ill apple(プロフ) - お気に入りさせてもらいました。余談ですが私の好きな小説の主人公(?)と同姓同名で少し驚きました…笑 (2018年12月31日 13時) (レス) id: c31f5fcd9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪見だいふく | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mayu02071/  
作成日時:2018年12月29日 16時

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