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買い物から帰ってきたおじいちゃんに二番のオーダーを伝えて、私にも何か作って、と頼む。
私が食器を出したりしている間に彼を盗み見れば、どうやらうとうととして、たまに船を漕いでいる。
徹夜で仕事って言っていたっけ。
無理もない、そう思ったところでおじいちゃんから「出来たよ」と声がかかる。
ああ、いい匂い。
「お待たせしましたー」
「ん……ああ、寝てた」
「あはは、見てました」
「見んな」
彼は向かい側に座る私に、机の下で蹴る素振りをする。
ちゃんと当たらないようにしてくれるあたり、いい人だと思う。いや、そもそもいい人は他人を蹴ったりしないか。
「これ食べたら寝られるんですか？」
「あー……どうだろうな」
「まさか、また仕事に行くんですか？」
「まぁ、仮眠くらいはするかも」
いただきます、と彼は早速白米に手をつける。
今の今まで眠そうにしていたくせに。
私は自分用に作ったお粥に、スプーンを入れる。お粥は白米よりも優しい気がして、私までなんだか眠たくなる。
「私、オッパを見てると
社会人になるのが怖い」
「はは」
「みんなそんな風に
働いてるものなの……？」
「さぁ？」
「他の奴のことは知らん」
そう発しながら彼はまたもぐもぐと口いっぱいにご飯を頬張る。
彼が特殊なんだろう、そう思いながらも段々と不安になって、手が止まる。
「本当に無理しないでね」
そう言えば私の顔を見た彼がなんだかぎょっとした顔をして、それからいつも通りに戻って「別に」と呟いた。
「いいんだよ
好きなことしてんだから」
「……でも」
「俺がしたくて、してることなんだから」
「…………」
きっと本当に、仕事が好きなんだろう。
やりたいことを仕事に出来るって、きっと幸せなことだと思う。
だけど。
「う〜ん……！」
「……お前、何してんの」
「せめてご飯でいっぱい栄養をとれるように
私の気を送ってます」
「なんだそれ
やめろ、なんか不味くなりそうだから」
「そ、そんなことないのに！」
私は彼に向かってかざしていた手をグーにして、振りかぶる。もちろん、当たらないようにするけれど。
お前本当に変な奴、彼はけらけらと笑った。
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svt11117(プロフ) - ほんとにすごく今更だけど、何故か急にこのお話のこと思い出して無性に読みたくなっちゃって漁りまくって読み返しちゃいました！初めて読んだ時と変わらずとても面白くて一瞬で読んじゃいました笑笑 自粛期間の私の唯一の楽しみでした、ありがとうございました､!! (2023年3月10日 20時) (
レス) @page30 id: 45166a94c7 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - あやまろさん» コメントありがとうございます。書きながらちゃんと面白いのだろうかと思っていたので、そう言って頂けてうれしいです。引き続きよろしくお願いします！ (2020年11月8日 22時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
あやまろ(プロフ) - 初コメさせていただきます！今1番更新が楽しみな作品で更新される度ニヤニヤして読んでます笑 そして何よりお忙しい中更新してくださってありがとうございます！ (2020年11月8日 17時) (レス) id: 74f0e4a445 (このIDを非表示/違反報告)
my(プロフ) - ★たくさんお気に入りしてくださってありがとうございます！このお話は年内に完結するようにがんばりたいと思います。また別のお話や短いお話も書きたいなと思っています！ (2020年11月5日 19時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
mayu(プロフ) - めぐさん» お返事遅くなってすみません！コメントありがとうございました……！まただいぶ間隔があいてしまいましたが少しずつ進めていけたらと思っています。これからもよければお付き合いください！ (2020年10月17日 4時) (レス) id: 34a0877eba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：my | 作成日時：2020年2月16日 0時
