４１ 狼の顔 ページ6
「全員に通達！何が重要か分からんけど、ショウが言ってたヒントを伝えるわ！
ショウはちょっとでも不審な行動をしたら、爆発する首輪を付けてて、国を裏切れない！
その首輪の外し方は知らんけど、アルクローネを全員殺したらいいと思うやって！
あと、アルクローネは毎日三人ぐらい増える！
えっと、あとこの首輪の主導権を握っとる奴がどこにいるかは知らん！
やって！」
「コイツら、弱過ぎひん？」
「確かに」
「手応えないやんなぁ」
動かなくなったアルクローネを床に転がしながら、俺はゾムに頷く。
彼女は事前に聞いていた情報とは違い、かなり弱かった。
なんでそんなに弱いんだと聞きたくなるぐらいには、弱かった。
ゾムが手を出さないでも倒せてしまった程だ。
さて、次はどこに行こうか。
大先生の伝言からして、どこかにアルクローネを生み出している誰かがいるのだろう。
ならばその誰かを探すのが一番だろうが…。
と、その時。
「あ、えっと、ゾムさんとショッピさん！」
「…あれ？リョウ？」
俺のすぐ隣を、リョウが駆け抜けていった。
そういえばアイツ、皆が状況を報告するときに何も言ってなかったな。
何をしてたんだ。
リョウは後ろを指差して、逃げろと口パクで叫んでいる。
いや、逃げるって、何から…………
「えぇぇっ！？何やあれ！？」
「え？何が…っ！？」
ゾムの叫びにつられて、振り返る。
そこにいたのは、
「グァアアアアアアアアアアアッ！！！！」
超巨大な狼の顔だった。
口を大きく開けた狼は、唾液を撒き散らしながら狭い道を押し進んでくる。
俺らは慌てて走り、リョウと同じように逃げだした。
何なんだあれは。
何で城にあんなのがあるんだ。
混乱する俺の目の前を走るリョウを掴み、怒鳴りつける。
「何あれ！？何で城にあんなんあるんだよ！」
「アルクローネの能力や！」
「はぁ！？どういう能力！？」
「自分が思い描いた既存の生物を作り出す！」
「何だよそれぇええっ！」
「ショッピがこんなキレるん初めて見たかも…」
ゾムが後ろで何やら呟いているが、それすら聞こえないぐらいに俺はリョウにブチ切れていた。
後ろでは狼が吠え散らかして、通り過ぎる壁全てを打ち壊している。
もう何でもよくなった俺は、後ろへリョウをぶん投げた。
「うわぁあああっ！？」
「何かして倒せ！」
「酷い！“豪雷、是汝ノ王也”！
“雷神の系譜”！」
白い雷の虎が狼にぶつかる。
…これ、無理っぽそうやな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 270人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フール(プロフ) - アイウエオだよさん» 一応ピポポポのつもりです。分かりづらくてすみません…。ピポポポを使うところは話数的に自然消滅しました…。能力的には某竜依頼のパルプン○です。 (2019年4月3日 2時) (
レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
アイウエオだよ - 鬱先生の“あの能力”とは‥‥‥ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7bcfa840f4 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - テルさん» ありがとうございます…！これから少し忙しくなるので、更新が遅くなってしまうかもしれませんが、頑張ります！ (2019年3月25日 20時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
テル - 更新来た！無理せず頑張ってください！ (2019年3月25日 19時) (レス) id: ed9aff9576 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - d!すこすこさん» ありがとうございます！なるべく早めの更新を心がけて、頑張ります！ (2019年3月20日 14時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フール | 作成日時：2019年3月20日 12時
