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70 狂犬の新技 ページ35

「早よせぇ!シャオロン!」
「ちょっと、何やねん!」
「新技作るぞ!」
「新技ぁ?俺とお前で?」
「そうや!」


コネシマがうるさく叫び、俺の腕を引っ張って中庭に連れ出してくる。
俺は深いため息を吐きながら、彼に引っ張られた。
俺達二人は専用の技を一つ持っている。
「狂犬組」とかいう能力で、二人で光の風でできた渦で敵を巻き上げたところを、同時にダイヤ剣で切り刻む、的な感じなんだけど、まぁ使うタイミングがなくてね。
そもそも光の風で渦を作ったところで、敵がちゃんと当たってくれないし。


「どんなやつ作るん」
「何にでも対応できるやつ」
「…いや、そんなんできるわけ…」
「いいや!出来る!」
「そういう根拠は」
「お前の光も、俺の風も、柔軟に形を変えられる能力や。
 だから、何にでも柔軟に対応できるような、そういうの作れるはずやねん」
「…まぁそう考えると出来るかもな。出来るかは知らんけど」


コネシマが言い張る姿を見ながら、俺はスコップを地面に突き刺して遊ぶ。
確かに、能力だけで考えたらそんな感じのことができなくもないだろう。
でも、それが実際にやれるかどうかは別だ。
俺はできないに一票。
…まぁ、付き合うけど。


「…ってか、何で急に新技なんて?」
「俺ら、今回の戦い、何もできんかったやん」
「……そうやね」
「次は絶対に勝ったんねん。負けたままは嫌やからな。
 次は絶対にアルクローネをボコボコにして、リベンジしたんねん」


珍しく、コネシマが燃えている。
いつも明るく楽観的な彼は、その目の奥はどこか必ず冷め切っているのだが、今は少し違った。
心無いシマがなくした心をどこかで拾ってきたのだろう。
なら、協力しないといけないと、俺は心の隅で思った。


「…そうやな。俺もリベンジしたいわ」
「やろ?」
「うん。新技作ろう」
「なるべく格好いいやつ作りたいな!」
「…性能重視でいこうねー」
「アホ!強くて格好いいのを作んねん!」


効率大好き野郎のくせに、何でこういうところはロマンを求めようとしてしまうのだろう。
グルッペンからの遺伝だろうか。
俺は苦笑して、彼の考えてきた技の案をのんびりと聞いた。
全部ウケ狙いの使えなさそうなものばかりだが、一つだけできそうなものがあった。


「これかなぁ」
「…よっしゃ、“罠”やな」


これ、罠なのか?
そう思いながらも、俺はスコップを構え、新技の開発を始めた。


「ちゃう!シャオロン、お前センスないな!」
「うるさい!」


 

おーしーらーせー この後の展開についてー→←69 相談所?



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フール(プロフ) - アイウエオだよさん» 一応ピポポポのつもりです。分かりづらくてすみません…。ピポポポを使うところは話数的に自然消滅しました…。能力的には某竜依頼のパルプン○です。 (2019年4月3日 2時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
アイウエオだよ - 鬱先生の“あの能力”とは‥‥‥ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7bcfa840f4 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - テルさん» ありがとうございます…!これから少し忙しくなるので、更新が遅くなってしまうかもしれませんが、頑張ります! (2019年3月25日 20時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
テル - 更新来た!無理せず頑張ってください! (2019年3月25日 19時) (レス) id: ed9aff9576 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - d!すこすこさん» ありがとうございます!なるべく早めの更新を心がけて、頑張ります! (2019年3月20日 14時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フール | 作成日時:2019年3月20日 12時

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