６７ グルッペンの目覚め ページ32
「…トンち。グルちゃん、大丈夫なん？」
「多分、大丈夫やとは…」
「今度はどこが弱くなるんやろな」
「分からん。…大先生も、毒は大丈夫なん」
「大丈夫やで、シッマももう完治したし」
グルッペンの部屋に入ってきた大先生は顔色が悪く、いつも通りのことだが大丈夫そうには見えなかった。
俺は死んだように眠るグルッペンを見つめ、手を伸ばす。
グルッペンのもう一つの能力は「従えた者全員の能力を操る」だ。
一人で数十個の能力を操れるようになるため、とても強力なのだが、その分反動がある。
発動中は口が利けず、その上使用後はこうして倒れてしまい、五感の一つが悪くなってしまうのだ。
今まで彼がこの能力を使ったときは、視力が悪くなってしまい、現在は眼鏡をかけている。
今回はどこが悪くなってしまうのだろう。
「あんまり使ってほしくなかったんやけどなぁ」
「仕方ないわ、あの状況やったら」
「…そうなんかなぁ」
納得がいかないように大先生が呟き、タバコを灰皿に押し当てる。
俺はその大先生のタバコを箱ごと取り上げた。
だが、いつもと銘柄が違うのを見て、彼の元へと返す。
「それ、ショウのやろ」
「そう。借りてんの」
「はぁ…何してんねん…」
「ええやん、置いてったんあっちやし」
眠たそうに笑う大先生は、そのキツめなタバコを当たり前のように吸った。
グルッペンから顔を離して、深く煙を吐き出す。
そのにおいに俺が顔をしかめると、怒られると思ったのか、彼はビクッと体を震わせた。
別に怒るつもりはない。
ただ、笑顔でいるのがちょっとしんどいだけだ。
「……ぅ」
「っ、グルちゃん！」
「…だい、せんせぇ、か…？」
グルッペンが目を開いた。
大先生の叫びにうっすらと反応し、グルッペンは頭を押さえている。
目か？耳か？味だったら一番支障がないんだが…。
そう焦る俺に、グルッペンは薄く笑みを浮かべた。
「…今回は、味だな」
「味か？」
「ああ。口の中が、微妙だ」
「…そうか、ならまだ…」
安心した俺の言葉をさえぎるように、グルッペンが頭を押さえて呻く。
大先生がタバコを放ってその体を支え、頭が揺れないように手を添えた。
グルッペンはその手に大人しく支えられ、ゆっくり息を吐く。
「使用時間が短かったからだろうが、あまり影響はない。大丈夫だ」
「グルちゃん、まだ寝とき」
「いや………ああ、そうだな」
グルッペンが再びベッドに沈んだ。
…彼の代わりに、俺がアイツ等をまとめなければ。
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フール(プロフ) - アイウエオだよさん» 一応ピポポポのつもりです。分かりづらくてすみません…。ピポポポを使うところは話数的に自然消滅しました…。能力的には某竜依頼のパルプン○です。 (2019年4月3日 2時) (
レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
アイウエオだよ - 鬱先生の“あの能力”とは‥‥‥ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7bcfa840f4 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - テルさん» ありがとうございます…！これから少し忙しくなるので、更新が遅くなってしまうかもしれませんが、頑張ります！ (2019年3月25日 20時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
テル - 更新来た！無理せず頑張ってください！ (2019年3月25日 19時) (レス) id: ed9aff9576 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - d!すこすこさん» ありがとうございます！なるべく早めの更新を心がけて、頑張ります！ (2019年3月20日 14時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フール | 作成日時：2019年3月20日 12時
