５７ 純愛 ※オリキャラのみ ページ22
「食べなさい」
「これでお前は強くなる」
「しっかり飲み込め」
私の周りの大人は、皆そう言ってご飯を食べさせてくれた。
いっぱいのお肉と、少しの軟骨。
コリコリしている部分と柔らかい部分。
毎日食べた。
私はずっと、食べていた。
そうしていれば、周りの大人は私を誉めてくれた。
けど、私は知っていた。
その肉と骨が何の動物のものなのか。
けど、私は黙っていた。
料理が不味くても、食べ続けないといけないから。
不味い。
吐き出したい。
こんなの嫌だ。
私はこの国の生物兵器らしい。
もし戦争で負けそうになったら、私を戦場に投下するって。
誰の意思で？
私の意思は？
関係ないんでしょう、分かってる。
私はこの国が嫌いだった。
全部壊したかった。
でも、そんなことできないから。
台風の日。
城を抜け出し、流れが速い川へ、身を投げた。
楽になれると、思っていた。
でも、誰かが腕を引っ張り上げてきた。
こんな大雨なのにタバコを吸ってて、ボサボサ髪の、変な男。
「何しとんねん」
彼はそれだけ言うと、冷えた私の体を炎で温めてくれた。
そして、誰かに呼ばれて去っていった。
……私、死ぬことすらできないんだ。
すぐその後、私は城の兵士に捕まった。
数年後、生物兵器として私が初めて使われた。
その時、私は初めて人を殺した。
そして、その肉を言われるがままに食べた。
美味しかった。
そう感じたときから、私は狂ってしまったんだと思う。
国を乗っ取った。
周りの奴らが怯えながら化け物だって叫ぶから、全部食べた。
食べる度、私は強くなった。
食べる度、私の周りから、人がいなくなった。
化け物って何。
酷いこと言うじゃんか。
私を化け物にしたのはどこのどいつ？
国が自分のものになったけど、一人は寂しいから、色んな人を仲間にした。
人は弱いから、人質を出せばすぐに言うことを聞いてくれる。
もしソイツが任務に失敗すれば人質を食べればいい。
特にショウ。
私は彼が大好きだった。
あの日助けてくれた人が彼だって、分かったから。
だから付属品のAとリョウを殺したかった。
我々だなんて丁度いい国があるじゃん。
そこに一人で行ってきて、滅ぼしてきてよ。
失敗したら殺すからね。
そう言ったときの絶望顔は、面白かった。
でも今。
ショウは私を裏切った。
目の前にショウが立っている。
大好き。
食べちゃいたいぐらい。
愛してる。
ごめんなさい
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フール(プロフ) - アイウエオだよさん» 一応ピポポポのつもりです。分かりづらくてすみません…。ピポポポを使うところは話数的に自然消滅しました…。能力的には某竜依頼のパルプン○です。 (2019年4月3日 2時) (
レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
アイウエオだよ - 鬱先生の“あの能力”とは‥‥‥ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7bcfa840f4 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - テルさん» ありがとうございます…！これから少し忙しくなるので、更新が遅くなってしまうかもしれませんが、頑張ります！ (2019年3月25日 20時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
テル - 更新来た！無理せず頑張ってください！ (2019年3月25日 19時) (レス) id: ed9aff9576 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - d!すこすこさん» ありがとうございます！なるべく早めの更新を心がけて、頑張ります！ (2019年3月20日 14時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フール | 作成日時：2019年3月20日 12時
