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53 裏切り者 ページ18

「ショッピ、行くで」
「はいはい」


ショッピと共に飛んでくる弾幕を避ける。
擦れ合ってたくさんの小さな光となって弾ける糸腹の弾と、真っ直ぐ俺達を追尾してくる勝木の弾。
一番警戒しなくてはならないのは、勝木の弾だ。
この弾、追尾してくる上に、追いついたら一気に大きく広がって糸腹の弾に変化してくる。
少しでもかすったら、腕一本丸々消滅だ。
絶対に当たれない。


「…対処法、どうしよか」
「避けてるだけじゃ埒があかないな」
「アイツらの能力が特定できたら速いんやけど…。ショッピ、分かる?」
「……ちょっと試しますね〜」


ショッピが毒液を手から放ち、光の弾に当てる。
すると、弾は一瞬毒液に吸い込まれ、そしてゆっくりと跳ね返って反対方向へと飛んでいった。
…へぇ、そういうことなんや。


「なるほどな、じゃ、頼むわ」
「はい」


俺の前にショッピを置く陣形をとり、俺らは一気に勝木と糸腹の元へと駆けた。
勝木は俺らの行動を見てすぐに大量の弾を放ったが、ショッピの毒液がそれを跳ね返す。
恐らくだが、この弾は何の複雑な構造もなく、純粋な“光”のみで出来ているのだろう。
光は水に反射する。
その自然界の掟を適応すれば、ショッピの透明な毒液で光の弾を反射できる、というわけだ。


「は、反射!?聞いてないって!」
「勝木、どうする?」
「嫌やぁ!俺らは負けたらアルクローネに殺処分やねんで!?」
「……俺ら、そのアルクローネを倒そうとしとるんやけど」
「え、マジで」


冷静な糸腹と焦る勝木の間に、ショッピが口を挟んで俺達の目的を告げる。
その時、勝木の動きが止まった。
最初からそうだって何度も言っていたのに、何も聞いていなかったのだろうか。
勝木が動きを止めている隙に、俺はマグマを敵二人の上に配置した。
まだ戦いを続けるのなら、これをぶっかけるという脅しだ。
分かりやすく勝木はその脅しに縮み上がり、じりじりと逃げるための後ずさりをしている。


「ショウも俺らの仲間や」
「先輩が…!?」
「お前らも一時的に仲間にならん?」
「で、でも…」


勝木の目が揺れる。
もう少しや。


「Aもリョウもショウもおる。今アルクローネと戦っとるわ。
 お前らは戦わへんの?」
「……俺も、そっちに…」
「勝木!アカン!」


糸腹が叫ぶ。
その瞬間、勝木の腕にはめられた腕輪が光り輝き、爆発した。
至近距離にいた俺らは爆風に巻き込まれ、吹き飛ぶ。
顔を上げると、そこに勝木と糸腹の姿はなかった。



 

54 人喰→←52 勝木と糸腹



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フール(プロフ) - アイウエオだよさん» 一応ピポポポのつもりです。分かりづらくてすみません…。ピポポポを使うところは話数的に自然消滅しました…。能力的には某竜依頼のパルプン○です。 (2019年4月3日 2時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
アイウエオだよ - 鬱先生の“あの能力”とは‥‥‥ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7bcfa840f4 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - テルさん» ありがとうございます…!これから少し忙しくなるので、更新が遅くなってしまうかもしれませんが、頑張ります! (2019年3月25日 20時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
テル - 更新来た!無理せず頑張ってください! (2019年3月25日 19時) (レス) id: ed9aff9576 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - d!すこすこさん» ありがとうございます!なるべく早めの更新を心がけて、頑張ります! (2019年3月20日 14時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フール | 作成日時:2019年3月20日 12時

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