52 勝木と糸腹 ページ17
「…トン、トン…?」
「シャオロン、大丈夫か?」
「アルクローネは…」
「今戦っとる」
「ちょっ、と、俺、もう無理っぽそう…」
「そうやな。帰るか。…チーノ、シャオロンを頼んだ」
「はい、転送します」
「リョウさん、貴方はアホだから騙されてるんです!」
「何やねん、勝木ぃっ…!」
「我々だなんかに寝返っちゃダメですよ!今すぐ、こっちに帰ってきて下さい!
でないと、想像しうる限りの甚大な被害を貴方に与えますよ!」
「っ…!」
勝木と名乗る長身の男が放つ弾が、リョウの体に直撃する。
俺は吹き飛んだリョウの体を支え、ショッピと共に勝木ではなく糸腹を相手にナイフを投げた。
勝木の相棒、糸腹は印を結び、俺達に向けて光の塊を放ってくる。
その光の塊がナイフに触れた瞬間、ナイフはスクラップに変わって地面に落ちた。
「うーん…勝木、やっぱこの人ら、騙す気はないんちゃう?良い人そうやで?」
「いーや!絶対騙そうとしてる!リョウさんがアホやからアカンねん!
この人、風俗行ってもいっつも…」
「すまんなぁ、ちょっと身内ネタついて行けへんわ」
うるさく騒ぐ糸腹と勝木に割って入り、俺はナイフを振り下ろす。
勝木が太刀でナイフを受け止め、糸腹が拳銃を何発か発砲したが、それは全部リョウの怒りを込めたシールドが防いだ。
勝木の腹が切り裂かれ、血が溢れる。
…手応えがないな。
「快印・改」
糸腹が結んだ印が勝木の体内に入り込み、一瞬で傷が癒える。
チートやろ。
そう思った時、勝木がふわりと宙に浮かび、両手を広げた。
突然、彼の後ろから大量の紅葉が舞い散って幻想的な光景を生み出す。
…なんや、何が起きようとしとるんや。
勝木は紅葉を一枚手に取ると、糸腹へとそれを落とした。
その時。
「“千紅万紫”」
勝木の背後からそれぞれの四季を代表する木の葉が舞い散り、すごいスピードで俺達の視界を奪ってくる。
それに加え、勝木と糸腹が生み出した弾達が弾幕を作り、迫ってきた。
…某東の方のシューティングゲームみたいやな。
俺は弾幕を避け、ショッピに目配せをする。
そして、なるべく大きな声で叫んだ。
「リョウ!ここは俺らに任せて、Aのとこへ行け!」
「え?でも…」
「この技は俺らだけで十分や!」
敵を煽るように、わざと言い放つ。
リョウは何か反論したげに口を開けたが、結局そのまま走り去っていった。
さて、これをどう攻略するか。
俺はショッピと並び、ナイフを握った。
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フール(プロフ) - アイウエオだよさん» 一応ピポポポのつもりです。分かりづらくてすみません…。ピポポポを使うところは話数的に自然消滅しました…。能力的には某竜依頼のパルプン○です。 (2019年4月3日 2時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
アイウエオだよ - 鬱先生の“あの能力”とは‥‥‥ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7bcfa840f4 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - テルさん» ありがとうございます…!これから少し忙しくなるので、更新が遅くなってしまうかもしれませんが、頑張ります! (2019年3月25日 20時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
テル - 更新来た!無理せず頑張ってください! (2019年3月25日 19時) (レス) id: ed9aff9576 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - d!すこすこさん» ありがとうございます!なるべく早めの更新を心がけて、頑張ります! (2019年3月20日 14時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フール | 作成日時:2019年3月20日 12時