検索窓
今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:40,984 hit

52 勝木と糸腹 ページ17

「…トン、トン…?」
「シャオロン、大丈夫か?」
「アルクローネは…」
「今戦っとる」
「ちょっ、と、俺、もう無理っぽそう…」
「そうやな。帰るか。…チーノ、シャオロンを頼んだ」
「はい、転送します」









「リョウさん、貴方はアホだから騙されてるんです!」
「何やねん、勝木ぃっ…!」
「我々だなんかに寝返っちゃダメですよ!今すぐ、こっちに帰ってきて下さい!
 でないと、想像しうる限りの甚大な被害を貴方に与えますよ!」
「っ…!」


勝木と名乗る長身の男が放つ弾が、リョウの体に直撃する。
俺は吹き飛んだリョウの体を支え、ショッピと共に勝木ではなく糸腹を相手にナイフを投げた。
勝木の相棒、糸腹は印を結び、俺達に向けて光の塊を放ってくる。
その光の塊がナイフに触れた瞬間、ナイフはスクラップに変わって地面に落ちた。


「うーん…勝木、やっぱこの人ら、騙す気はないんちゃう?良い人そうやで?」
「いーや!絶対騙そうとしてる!リョウさんがアホやからアカンねん!
 この人、風俗行ってもいっつも…」
「すまんなぁ、ちょっと身内ネタついて行けへんわ」


うるさく騒ぐ糸腹と勝木に割って入り、俺はナイフを振り下ろす。
勝木が太刀でナイフを受け止め、糸腹が拳銃を何発か発砲したが、それは全部リョウの怒りを込めたシールドが防いだ。
勝木の腹が切り裂かれ、血が溢れる。
…手応えがないな。


「快印・改」


糸腹が結んだ印が勝木の体内に入り込み、一瞬で傷が癒える。
チートやろ。
そう思った時、勝木がふわりと宙に浮かび、両手を広げた。
突然、彼の後ろから大量の紅葉が舞い散って幻想的な光景を生み出す。
…なんや、何が起きようとしとるんや。
勝木は紅葉を一枚手に取ると、糸腹へとそれを落とした。
その時。


「“千紅万紫”」


勝木の背後からそれぞれの四季を代表する木の葉が舞い散り、すごいスピードで俺達の視界を奪ってくる。
それに加え、勝木と糸腹が生み出した弾達が弾幕を作り、迫ってきた。
…某東の方のシューティングゲームみたいやな。
俺は弾幕を避け、ショッピに目配せをする。
そして、なるべく大きな声で叫んだ。


「リョウ!ここは俺らに任せて、Aのとこへ行け!」
「え?でも…」
「この技は俺らだけで十分や!」


敵を煽るように、わざと言い放つ。
リョウは何か反論したげに口を開けたが、結局そのまま走り去っていった。
さて、これをどう攻略するか。
俺はショッピと並び、ナイフを握った。


 

53 裏切り者→←51 ご対面



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
270人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

フール(プロフ) - アイウエオだよさん» 一応ピポポポのつもりです。分かりづらくてすみません…。ピポポポを使うところは話数的に自然消滅しました…。能力的には某竜依頼のパルプン○です。 (2019年4月3日 2時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
アイウエオだよ - 鬱先生の“あの能力”とは‥‥‥ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7bcfa840f4 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - テルさん» ありがとうございます…!これから少し忙しくなるので、更新が遅くなってしまうかもしれませんが、頑張ります! (2019年3月25日 20時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
テル - 更新来た!無理せず頑張ってください! (2019年3月25日 19時) (レス) id: ed9aff9576 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - d!すこすこさん» ありがとうございます!なるべく早めの更新を心がけて、頑張ります! (2019年3月20日 14時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:フール | 作成日時:2019年3月20日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。