５０ ショウ、停戦 ページ15
「ショウ、Aが首輪のスイッチを奪ったって」
「…はは、マジか。早かったな」
ショウの大太刀を羽根で受け止め、Aから聞いた話を伝える。
彼は一瞬驚いたように目を開いたが、すぐに嬉しそうな笑顔を浮かべ、首輪に触れた、
あれからずっと続けた「戦いごっこ」はもう終わりだ。
色々周りの状況もヤバそうだし、早く助けに向かいたい。
「もう、ええんちゃうか？」
「…すまんかった、怪我させて」
「しゃーないって。じゃあ、行こか」
「…ありがとう。助かったわ」
大太刀を下ろし、ショウは作っていた先程までの“敵としての顔”を捨て、俺の羽根を気遣ってきた。
へぇ、こんな性格の奴やったんやな。
意外に思いながらも、俺は羽根を大きく広げて、救援を求めていたAの元へと飛んだ。
ショウは俺の隣を併走し、タバコを吐き捨てる。
「アルクローネ、強いん？」
「詳しくは知らん。ただ、たった一人の武力で一つの国を乗っ取った奴や」
「まぁ、それぐらいは強いやんなぁ…」
ショウは新しいタバコに火を点けながら、煙を吐いた。
やっぱりアルクローネは強いのか。
Aはシャオロンと共に戦っていると言っていたが、あの二人で果たしてどこまで耐えることができるのだろう。
他のメンバーは一体何をしているんだ。
エミひとロボは知らん奴と戦ってるっぽいけど、ゾムショピリョウはどこにいる。
あと、グルッペンは大丈夫なのか。
「ゾム、ショッピ、リョウ。今何してる」
「勝木と糸腹とかいう奴と戦ってる！コイツら普通に強い！」
「…勝木と糸腹？」
ゾムらしき声がそう叫ぶ。
誰だ、その二人。
首を傾げていると、俺の言葉だけ聞いていたショウがタバコの煙と共に小さく呟いた。
「アイツらか…」
「…知り合いか？」
「部下や。……アイツらは特殊な技ばっかに集中しすぎて、小技を見失う。
だから、特殊技さえ封じたらあとは一直線。特に警戒する必要はない」
「…かくかくしかじか！」
「確かにぽいな。…参考にするわ」
彼の言葉をそのままゾム達に伝える。
ゾムは戦いながら思い当たる節があったのか、はっきりと返事し、会話を終えた。
ショウ、もう完全に仲間やん。
切り替え速いなぁと思いながら、俺は飛ぶスピードを上げる。
すると、道の先にグルッペンの姿が見えた。
「あ！グルッペ…」
両手に剣を握ったグルッペンが顔を上げる。
その目が真っ黒なことに気づき、俺は地面に足を下ろした。
コイツ、あの能力使いやがったな…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 270人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フール(プロフ) - アイウエオだよさん» 一応ピポポポのつもりです。分かりづらくてすみません…。ピポポポを使うところは話数的に自然消滅しました…。能力的には某竜依頼のパルプン○です。 (2019年4月3日 2時) (
レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
アイウエオだよ - 鬱先生の“あの能力”とは‥‥‥ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7bcfa840f4 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - テルさん» ありがとうございます…！これから少し忙しくなるので、更新が遅くなってしまうかもしれませんが、頑張ります！ (2019年3月25日 20時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
テル - 更新来た！無理せず頑張ってください！ (2019年3月25日 19時) (レス) id: ed9aff9576 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - d!すこすこさん» ありがとうございます！なるべく早めの更新を心がけて、頑張ります！ (2019年3月20日 14時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フール | 作成日時：2019年3月20日 12時
