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48 壁の向こう ページ13

「っ…!」
「う、ぁあ…!」
「薄めたギンピー・ギンピーの毒を塗っといたから、半年ぐらいはずっと激痛やで」


トゲが刺さった部分が焼けるように痛い。
なんだよそのギンピー・ギンピーって。
酸をスプレーでぶっかけられたぐらいの痛みが全身を駆け巡り、俺は倒れた。
コネシマも同じ痛みを味わっているようで、地面をのたうち回っている。
これはしんぺい神案件じゃないか…?
見上げた先にいたグルッペンの顔を覗く。
それを見た途端、俺は全身に寒気が走るのを感じた。


「チーノ、転送して」
「は、はい!転送します!しんぺい神!出番!」
「誰か怪我しちゃったんやな…。分かったわ」


兄さんが指示し、チーノの力によって、俺達は城から転送される。
ヤバいな、グルちゃん。
「あの能力」は俺達が今までひた隠しにしてたやつやし、グルちゃん自身が傷付くし、あんま使ってほしくないんやけど…。
あの顔は、使う顔やなぁ…。
ごめん。
そう頭の中で念じながら、俺は浮遊感に包まれた。









「オスマン?」


暗い道の向こうに辿り着いた私は、そこに倒れていた人物に目を見開いた。
オスマンが血塗れで倒れている。
脈を確認しようと首に触れると、力無くその手を握られた。
まだ意識がある…?


「…A…」
「喋っちゃダメ」


オスマンが苦しそうに息を詰めた。
見れば、その肩が大きく切り裂かれている。
私は一応持ってきていた救急セットで応急手当をして、彼の痛覚を消し、傷に響かないようにその体を抱き上げた。
元来た道を帰り、廊下へと戻ろうとする。
だが、私の背に向かって、“ソイツ”は攻撃を仕掛けてきた。


「…アルクローネ」
「久し振り、裏切り者のAちゃん」


飛んできたナイフを重力を操って反転させ、お返しする。
オスマンは守らないといけない。
そう思い、走り出したその時。
草の壁が私の背後に現れ、アルクローネの道を封鎖した。
オスマンが能力を使ったのだ。


「っ、ありがとう…!」
「こ、れ…」
「…もしかして…兄貴の…?」


今にも切れ落ちそうな草のツタが、私に小さなスイッチを手渡した。
兄貴の首輪のスイッチだろう。
オスマンは小さく頷き、眠るように意識を失った。
それと同時に壁が崩れ落ち、アルクローネが再び迫ってくる。
私は重力の向きを後ろへと変え、自分にかかる重力を前に向けた。
暗闇の向こうから、僅かに光が見える。
あの光へと突っ込み、私は壁の向こうへと叫んだ。


「シャオロン!開けなさい!」


 

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フール(プロフ) - アイウエオだよさん» 一応ピポポポのつもりです。分かりづらくてすみません…。ピポポポを使うところは話数的に自然消滅しました…。能力的には某竜依頼のパルプン○です。 (2019年4月3日 2時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
アイウエオだよ - 鬱先生の“あの能力”とは‥‥‥ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7bcfa840f4 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - テルさん» ありがとうございます…!これから少し忙しくなるので、更新が遅くなってしまうかもしれませんが、頑張ります! (2019年3月25日 20時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
テル - 更新来た!無理せず頑張ってください! (2019年3月25日 19時) (レス) id: ed9aff9576 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - d!すこすこさん» ありがとうございます!なるべく早めの更新を心がけて、頑張ります! (2019年3月20日 14時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フール | 作成日時:2019年3月20日 12時

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