対我々用暗殺者【wrwrd】

３６　作戦会議 ページ39

「…出撃する前に、確認だけしようか」


翌日、会議室に集まった私達は、ランドールを滅ぼすための作戦会議をしていた。
トントンが仕切り、うるさく騒いでいるコネシマやシャオロン達を黙らせながら話を続ける。
いやぁ、大変そうだなぁ。


「まず、今回の目的はランドールを滅ぼすことじゃないから。
　更生させる的なニュアンスやから。
　マグマを城下町に投げるの禁止やし、住人殺すの禁止。
　だから、チーノが全員を敵の城内に転送させてから戦闘開始やな」
「了解っす」
「それから、俺達は幹部しか居らん国やから、全員出撃すると城が無防備になる。
　だから、いつもやったらオスマンに木の壁でドーム作って守ってもらってるんやけど…」
「疲れるから誰か代わりにやってほしいめうー…」


トントンとオスマンの目線が揃ってリョウさんの方へと向く。
そうだこの人、シールド使えるんじゃんか。
城をシールドで囲えたら、大分楽だしオスマンの負担も減る。
リョウさん、どれだけ能力使ってもなかなか疲れない体質だし。


「ん、じゃあ、俺シールド張るわ」
「すまん、助かる。
　一応、城には兄さんとチーノ、しんぺい神が待機する予定や。
　いつも通り、誰かが重傷を負ったらチーノが転送、しんぺい神が対応してくれ」
「はーい。みんな怪我しないようにねー」
「あと、もしもショウって名乗る奴が戦ってきたら、事情を説明して戦闘を止めさせろ。
　それから、アルクローネに似た奴がおったら全体に報告して、必ず複数人で戦え」
「報告は俺の能力で頼むわ」
「そう、ロボロの能力で伝達するからな」


なるほど、チーノが重労働ってことは分かったわ。
能力が使いやすいから仕方がないけど。
アルクローネが来たら本当に警戒しないといけないんだけど、アイツ、絶対倒さないといけないんだよな。


「アルクローネは絶対に倒してほしいの」
「何でや？」
「アイツが来てから、あの国はおかしくなった。
　多分、力に物を言わせて、アイツが影で国を操ってるのよ。
　だから、あの国を元に戻すためには、アイツの殺害が最終条件ね」
「…なるほど。みんな把握できたか？」


私が言ったことをトントンが噛み砕いて分かりやすく説明し、全体にもう一度伝える。
…まぁ、話すべきことはこんなものじゃない？
そう思ったと同時に、グルッペンが立ち上がった。


「出撃する」


私達はその言葉に従い、会議室から出て行く。
…もうすぐ。
もうすぐ、懐かしい祖国が帰ってくるんだ。



　

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