３３ 雷 ページ35
ぶつかり合った力が爆発し、衝撃が走る。
痛みは感じなかったが、自分達の方が押し勝ったという感覚もなかった。
全ての力を使い尽くして倒れる俺を、コネシマが支えてくる。
そんな支えられるぐらい余力を残すなら、先にそう言えよ…。
めちゃくちゃ頑張ったのに。
「……強いなぁ」
「やろ？」
「羨ましいわ、二人で戦えるんが」
「…そうやな、誰かがおると、頼もしいわ」
目の前に無傷で立つリョウに、コネシマは精一杯の憎たらしい顔で笑う。
…何が頼もしいだ。
いつも内ゲバしまくって戦ってるのに。
純粋無垢を演出してんじゃねぇよ、クソ先輩。
「じゃあ、俺はこれで」
「……行かせへんわ」
立ち去ろうとするリョウに、コネシマがナイフをぶん投げる。
その最後の一撃は、あっさりと見えない壁で防がれた。
そうだ、アイツ、シールドが使えるんだった。
これはもう駄目だな。
クラクラする頭を押さえ、俺が自嘲した時。
「…リョウさん…！？このアホ！何してるのよ！」
「っ、A…！？」
Aと呼ばれた侵入者その１が、シールドの上からリョウを蹴り飛ばした。
俺達との戦いで知らず知らずの内にダメージを受けていたのか、リョウは簡単に吹き飛ばされ、城の壁に直撃している。
痛そう。
それより、あの子あんなに力が強いのか。
「丁度よかった。すまん、A、お前には死んでもらわんと…」
「うるさい！兄貴のこと捨てやがって！」
「…はぁ？」
「アンタは兄貴を捨てたのよ！この使えない雑魚！」
「…！」
な、何かよく分からないけど、めちゃくちゃにリョウが罵倒されていることは分かる。
俺達は呆気にとられてそれを見ることしか出来ないが、彼らの言い合いは更に発展していって、城全体に響き渡った。
「うぅるっさいなぁ！俺は雑魚ちゃうわ！」
「…はぁああ！？雑魚よ雑魚！」
「“雷鳴、是汝ノ王也”！」
「ほらそうやって！怒ったらすぐ系譜！そういうのが雑魚なのよ！」
Aが大太刀を構え、一気にリョウの目の前にまで近付く。
そして、彼の刀を掴み、自分の首に押し当てた。
自ら死にに行こうとする彼女を、俺らは慌てて止めようとしたが、手で制されてしまう。
「…ほら、殺してみなさいよ」
「っ…！」
「系譜を使えば一発でしょ」
「……」
「できないの？」
リョウが辛そうに顔を歪める。
決意を固めて少し刀に力を込めると、Aの首から血が漏れた。
その瞬間。
「…！」
「……すまん」
雷が轟いた。
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みょん - 夢主ちゃん五感を消すどころか操っちゃった (2019年8月26日 15時) (
レス) id: 58ac6e7e16 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - ひよっ子さん» ご感想ありがとうございます！頑張ります！ (2019年3月17日 19時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
ひよっ子 - 主人公ちゃんの悲しい過去など とりあえず全部面白いです これからも頑張ってください！！(≧∀≦) (2019年3月17日 18時) (レス) id: a20f220c99 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - 兎危@ファンマークは子兎さん» チノ氏のキャラがまだ定まってないので探り探りですが…。これからも結構登場させるつもりです。 (2019年3月17日 9時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
兎危@ファンマークは子兎 - ち、チノ氏…！？！？まさか、チノ氏を書いてる人が居たなんて……！感激ですううううう(新人組推し) (2019年3月17日 9時) (レス) id: 029d2a2f18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フール | 作成日時：2019年3月15日 17時
