３２ 先輩後輩 ページ34
「速さで行くぞ！」
「…ちっ」
「何や、文句あんのか？」
「いえ！全然！」
クソ先輩の能力「速さを調節する」を使わせてもらい、一瞬でリョウの目の前に移動する。
俺がナイフを投げてリョウの気を反らし、その隙にコネシマが背後に回り込んで毒液を放った。
ジュッと焦げたような音を立てて彼の背の服が溶け、皮膚が焼ける。
痛みに呻いたリョウの懐に入り込み、風をまとったナイフをその腹に突き刺した。
「ショッピ、いけ！」
「うるさい…！」
「う、ぁあ…！」
猛毒をナイフから放つと、リョウの目から血が漏れた。
コネシマが竜巻を俺とリョウの周りを囲うように作りだし、逃げられないように道を塞ぐ。
このまま押し切りたい。
俺は更に大量の毒を体内に流し込んだ。
「……強いなぁ」
「っ…！？」
「でも、ショウの方が強いわ」
背後、竜巻の外からリョウの声がした。
目の前にいたはずのリョウが、俺の腕を掴む。
その彼の姿が、ゆっくりとただの光に姿を変えた。
まさか、こいつ、雷で作った分身なのか。
いやそんなはずはない。
雷で人型を象ることはできるが、こんな色をつけることなんて出来ないはず。
そんなの、色彩を操る能力とか光の方向を操る能力ぐらいしか…。
あ、雷って光っとるやん。なるほど。
…なるほどじゃないだろ…！
「うあっ！？」
「ショッピ！？どうし…っ！」
「邪魔したらアカンよ」
バチバチと全身が痺れ、激痛が走る。
竜巻の外にいるコネシマとリョウが二人だけで戦闘を始めたようで、俺は一人この雷に打たれていた。
ナイフから手を離しても、リョウの雷の分身は俺に引っ付いて離れず、放電を続けてくる。
「っ、く、そが…！」
「…駄目押しや」
突然コネシマが吹き飛んで、竜巻の中に入ってきた。
竜巻の外で何が起きていたのかは分からないが、その体がボロボロなため、恐らく直接切り刻まれたんだろう。
そんなにリョウは強いのか…？
その疑問を打ち破るように、消えた竜巻の向こうからリョウが雷を宿した刀を振り上げる。
「“豪雷、是汝ノ王也”」
「…最後、行くで」
「…はいはい」
コネシマが俺の肩を叩いて、手を前に突き出した。
俺はその先輩の肩を支え、手をかざす。
能力同士の殴り合い、真っ向からの火力勝負だ。
「“雷神ノ系譜”！」
「おらぁあああっ！！」
雷の白虎が放たれ、俺達が作り出した風とぶつかり合う。
勝てたらいいなぁ。
そう思い、顔を伏せた時。
右手の中指にはめられた指輪が、光った。
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みょん - 夢主ちゃん五感を消すどころか操っちゃった (2019年8月26日 15時) (
レス) id: 58ac6e7e16 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - ひよっ子さん» ご感想ありがとうございます！頑張ります！ (2019年3月17日 19時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
ひよっ子 - 主人公ちゃんの悲しい過去など とりあえず全部面白いです これからも頑張ってください！！(≧∀≦) (2019年3月17日 18時) (レス) id: a20f220c99 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - 兎危@ファンマークは子兎さん» チノ氏のキャラがまだ定まってないので探り探りですが…。これからも結構登場させるつもりです。 (2019年3月17日 9時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
兎危@ファンマークは子兎 - ち、チノ氏…！？！？まさか、チノ氏を書いてる人が居たなんて……！感激ですううううう(新人組推し) (2019年3月17日 9時) (レス) id: 029d2a2f18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フール | 作成日時：2019年3月15日 17時
