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20 アレ ページ22

「っ強いな…!」
「光栄っす!」
「ゾムさん、危ないっ!」
「うわっ!」


ナイフや槍が一斉にゾムに飛ぶ。
俺は蝶の壁を作り、彼を武器から守った。
だが、それはあくまでも飛んでくる武器を防ぐだけにしかならない。
敵はナイフを振るって攻撃を続けているため、このまま戦っていてもゾムがジリ貧だ。

一旦、落ち着くか。
俺は敵の周りを蝶で囲み、鱗粉を撒き散らしてその目を潰した。
そうして時間を稼ぎ、俺はゾムに話しかける。


「大丈夫?なんか、いつもより圧されとるけど…」
「能力自体は兄さんと同じやのに…!腹立つ!」
「…一応、俺としても手は打ってるから、あと少し時間稼げば…」
「嫌や!勝つ!絶対勝つ!時間稼ぎとか、負けるとか、もう寒気するわ…!」


ゾムがそう闘志を燃やし、マグマ入りバケツを担いだとき。
蝶の大群を、鉄の壁が押し潰した。
敵はその巨大な鉄壁を自由に操り、ゾムへそれを飛ばす。
ゾムはその壁をむしろ足場にして、高く飛び上がった。
そして、マグマのバケツを敵の頭に向けてダンクシュート!
…しようとしたのだが、鉄の壁で防がれてしまった。


「っ!」
「隙あり!」
「ゾムさん!」


マグマがかかった鉄壁が変形し、ゾムを包もうと動く。
俺はゾムに蝶の足場を飛ばし、逃げ出すための道を作り出した。
ってか、何であの敵、鉄を操ってるんだ。
武器を操る能力じゃなかったのか…?


「足場いらん!」
「ぇえええ!?」
「アレの準備しといて!」
「んな無茶な…!」


ゾムがマグマをバケツからではなく、もう手から生み出す。
鉄壁を溶かし、そのままナイフを構え、ゾムが敵の頭上から飛び降りた。
でも、敵が鉄を操る能力を持っているのなら、迂闊に近づかない方がいいと思うのだが。

それより、アレの準備って、まさか本当にアレをやるつもりなの?
いや、嫌じゃないけど、疲れるし、やりたくないって言うか…。


「っ!」
「ゾムさん!」


言わんこっちゃない。
ゾムは体を地面から生えた鉄の柱でぶっ飛ばされた。
飛ばされた先に敵が回り込み、ナイフを構えて待ち伏せしている。
援護したいけど、アレの準備をしているから力を使えない。
何とか乗り切ってくれ…!


「追撃ぃ!」
「を、避けたい!」
「わ!すごい!」


敵のナイフの薄い数ミリの上に乗り、ゾムは攻撃を避けた。
すごい身体能力だが、後がキツそうだ。
再び振るわれるナイフが、ゾムのフードに傷を付けた、その時。


「アレ!いけます!」


準備ができた。


 

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みょん - 夢主ちゃん五感を消すどころか操っちゃった (2019年8月26日 15時) (レス) id: 58ac6e7e16 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - ひよっ子さん» ご感想ありがとうございます!頑張ります! (2019年3月17日 19時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
ひよっ子 - 主人公ちゃんの悲しい過去など とりあえず全部面白いです これからも頑張ってください!!(≧∀≦) (2019年3月17日 18時) (レス) id: a20f220c99 (このIDを非表示/違反報告)
フール(プロフ) - 兎危@ファンマークは子兎さん» チノ氏のキャラがまだ定まってないので探り探りですが…。これからも結構登場させるつもりです。 (2019年3月17日 9時) (レス) id: baf0519c25 (このIDを非表示/違反報告)
兎危@ファンマークは子兎 - ち、チノ氏…!?!?まさか、チノ氏を書いてる人が居たなんて……!感激ですううううう(新人組推し) (2019年3月17日 9時) (レス) id: 029d2a2f18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フール | 作成日時:2019年3月15日 17時

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