13、肉まん五つは一人で食べられる ページ13
××
「に……逃げられた……」
お巡りさんは光の速さで消え去り、その場に残された私はポツリと呟いた。けれど、恐らく秘書さんとお巡りさんは同一人物で間違いないだろう。しかし、あの秘書さんの本当の素顔があのお巡りさんだとは思えない。恐らくあれも変装だ。
しかし、一体何のために……？
「と、とにかく早く乱歩先輩達を探さなきゃ……」
乱歩先輩なら何か解るかもしれないし、一刻も早く探し出そう。そう思った矢先、ポケットに入っていた携帯電話が揺れた。すぐに通話ボタンを押して「もしもし？」と電話に応じる。
「───Aくんであるか！？」
その声は乱歩先輩───ではなく、エドガー先生のものだった。恐らく乱歩先輩から借りているのだろう。
「はい、私です！今は乱歩先輩と御一緒ですか？」
『そうである。実は事件が終わって……犯人が自首したので迎えに来て欲しいと乱歩くんが』
流石は秒速で事件を解決し、「世界一の名探偵」を自称出来るだけのことはある。事件解決があまりに速い。速すぎる。
「分かりました。では居場所を教えて───」
「なっ……！」
「え？」
電話の向こうで、エドガー先生がハッと息を呑む声が聞こえた。心底驚愕しているような───とにかく、何かあったのは間違いない。
「エドガー先生！？大丈夫ですか！？」
「……っ、わ、我輩は大丈夫である……ただ、ただ───」
エドガー先生の声が、そこで途切れた。
ひどい胸騒ぎが、する。
地面が、木々が、家々が、悪意の牙を向けているようにすら感じた。冷や汗が流れる。
何かよくないことが、起こってしまう。
***
あれからすぐに合流してエドガー先生から事情を聞いた。曰く、自首した犯人が乗ったパトカーが、何者かに襲われたと。何かを思案して、普段の快活さが嘘のように黙り続ける乱歩先輩を心配する一方で、私は国木田先輩のことを考えていた。
結局逮捕出来なかったとはいえ、真犯人が判明したということで国木田先輩の釈放は無事に明日に決まったのだ。
「なに話そうかなぁ」
話したいことは沢山あるけれど、明日は国木田先輩の話を沢山聞こう！それで国木田先輩の釈放祝いをしよう。
コンビニで肉まん五つを買った私はアパートに向かう道中、ずっとそんなことを考えていた。
(───あれ？鍵、あいてる……)
「やぁ、Aくん」
「お、お邪魔してます……」
扉を開けると、何故かフランシス先輩達がいた。
**
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柊あんず(プロフ) - 香さん» いつもありがとうございます〜！早速五部の続編もあげましたのでぜひ！！はい、番外編の方の更新はいつになるか分かりませんが今後とも宜しくお願いします…(笑) Twitterやコメントなど、本当に感謝しきれません…！ (2020年6月28日 19時) (
レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
香 - 四部完結おめでとうございます！四部は七竃ちゃんが不憫すぎて...五部でどんな展開になるのか楽しみです！ Twitterフォローさせて頂いたり、番外編の方のリクエストもさせて貰いました！五部も楽しみに待ってます！ (2020年6月28日 18時) (レス) id: 7e95bd0132 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 後書き。 これにて四部は完結となります！ページ数が足りなすぎて今回はここで書くことになってしまいました。ラストの表紙は竹やま様より。四部の感想などもありましたらぜひ(笑) それではまた近々五部でお会いしましょう！！ (2020年6月28日 0時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 香さん» ありがとうございます！四部もあと少しで終わりますからね！毎回感想を頂けてとっっても励みになります…！ふふふ…続きが気になると仰って頂けるのは作者として本当に嬉しいです…！今後ともどうか宜しくお願いしますね！ (2020年6月20日 20時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
香 - 更新されてる！！今回もとても面白い話ばかりでした！探偵社と七竃ちゃんの距離がだんだん開いていってしまうようでハラハラしてます。続きが気になりすぎる！！ (2020年6月19日 7時) (レス) id: 7e95bd0132 (このIDを非表示/違反報告)
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