11、欺き欺かれ、見抜き見抜かれ ページ11
××
「へぇ、探し人はあの武装探偵社の社員さんなんだね。今度は、はぐれないように気をつけないとね」
「は、はい……」
結局、お巡りさんのお世話になることになった。
この歳でお巡りさんから迷子のような扱いを受けて、お世話になるというのは非常に恥ずかしい。そして誰にも知られてはならない。
もしも太宰先輩なんかにバレたら「Aちゃん君、迷子になったんだってね。もしかして君は十七歳じゃなくて七歳だったのかい？いやいや、私は皮肉を云っているわけではないのだよ。十七歳で迷子……可愛いじゃあないか。これからの仕事は私が保護者として同伴してあげようか？」とか色々云われて永遠にからかわれるに違いない。国木田先輩だったら三時間説教コースは確定だ。
「ハハ、そんな不安げな顔をしなくても大丈夫だよ。探し人とはきっと会えるから。ね？」
扱いが完全に迷子の幼女に対するソレである。
改めて羞恥心が込み上げて来て、あ、あはは、と乾いた笑い声を上げた。恥ずかしい。頬を掻きながら、隣のお巡りさんに目を向ける。その時、ほんの小さな違和感を感じた。
「あ、あの、」
「ん？どうしたの？」
矢っ張り、この声。
僅かに音程は違うが、何処かで聞いたことがあるような。……うーん、もやもやする。なんだかこう、胸の中に霧がかかっているような、そんなもやもや。
「……いえ、すみません……」
強いて云わなくても、制服の着こなしも歩き方にも何ら不自然さはなかった。とても自然だった。否、
「じゃあ、絶対、気づいてね。
気づいたら、ご褒美に私の名前教えてあげるから!」
その瞬間、私はすべてを理解した。
彼は私にヒントを落とし過ぎている。こんなの、気づいてくれと云っているようなものだ。
「……私。飛行機よりも好きなものがあるんです」
足を止めて、お巡りさんの腕を掴む。
「え？」
「鳥です。機械で設計された飛行機よりも、鳥の方が好きなんです」
───機械で設計された飛行機よりも、鳥の方が好きかなあ。
「云ったでしょう、女の勘で分かるって！」
───このクイズ、私の勝ちです。
───あなたの名前を、教えてください。
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柊あんず(プロフ) - 香さん» いつもありがとうございます〜！早速五部の続編もあげましたのでぜひ！！はい、番外編の方の更新はいつになるか分かりませんが今後とも宜しくお願いします…(笑) Twitterやコメントなど、本当に感謝しきれません…！ (2020年6月28日 19時) (
レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
香 - 四部完結おめでとうございます！四部は七竃ちゃんが不憫すぎて...五部でどんな展開になるのか楽しみです！ Twitterフォローさせて頂いたり、番外編の方のリクエストもさせて貰いました！五部も楽しみに待ってます！ (2020年6月28日 18時) (レス) id: 7e95bd0132 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 後書き。 これにて四部は完結となります！ページ数が足りなすぎて今回はここで書くことになってしまいました。ラストの表紙は竹やま様より。四部の感想などもありましたらぜひ(笑) それではまた近々五部でお会いしましょう！！ (2020年6月28日 0時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 香さん» ありがとうございます！四部もあと少しで終わりますからね！毎回感想を頂けてとっっても励みになります…！ふふふ…続きが気になると仰って頂けるのは作者として本当に嬉しいです…！今後ともどうか宜しくお願いしますね！ (2020年6月20日 20時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
香 - 更新されてる！！今回もとても面白い話ばかりでした！探偵社と七竃ちゃんの距離がだんだん開いていってしまうようでハラハラしてます。続きが気になりすぎる！！ (2020年6月19日 7時) (レス) id: 7e95bd0132 (このIDを非表示/違反報告)
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