26、願わくば、気づいて ページ27
××
「見てみて！この眼鏡、私が今かけてるものとそっくり！君もかけてみてよ！」
司法省近くにある大型ショッピングモール。
その中に入っている雑貨店で彼は自分がかけている眼鏡とよく似ている眼鏡を手に取り、ニコニコと笑っていた。
「わ、私は遠慮しておきます……」
「そんなこと云わないで！ね？ほら、絶対可愛いよ〜！」
彼はAの手を引っ張り、伊達眼鏡をかけさせる。Aの小作りな顔に黒縁眼鏡はよく似合っていた。眼鏡かけると全然印象違うよね、と彼は笑む。
「そうでしょうか……私にはよく分からないのですが……貴方も他の眼鏡、かけてみては？」
「んー？私は良いかなあ。それとも私が眼鏡を外した顔を見てみたい？」
「いや特には……」
「はーい！ここでクイズ！！」
突如大きな声を出した彼にAはビクリと肩を揺らす。人の視線が集まるのを感じながら「……今度は何です？」と彼を見つめた。
「君は私の眼鏡を外した顔に気づくかどうか！」
「はぁ……それはどういう……」
「だーかーら、もし私が眼鏡を外した顔で君とまた逢った時に君はそれが私かどうか気づくか？っていうクイズ」
それは果たしてクイズなのだろうか。
可笑しなクイズ、と思いながらAは少し考える。眼鏡を外した彼の顔なんて全く想像出来ないが、でも───
「……気づく、と思いますね」
「ふぅん、その理由は？」
「女の勘で分かります」
彼はぷっと吹き出した。
女の勘、何の理由にもなってない理由だ。
それを真顔で答えたAも可笑しいし、そして彼女なら本当に見抜けそうだと思う自分も可笑しかった。
「む。そこ、笑うところではないです」
「ハハハ！！いや、笑うところだよ。……そっか、うん。じゃあ、絶対、気づいてね。気づいたら、ご褒美に私の名前教えてあげるから！」
気づかないでいてくれた方が此方としても都合が良いと分かっている。分かっている、けれど───
「……じゃ、その書類は今もらっちゃうね！あ、代わりにこれあげるよ」
彼はAの手から調査書類を取ると、代わりに先刻折り畳んでいた紙飛行機を背広の内ポケットから取り出し、Aの手に乗せた。
「その紙飛行機はめちゃくちゃ大切なものだからくれぐれもなくさないように！！あとあと、時が来るまで中身を広げないように！」
ダスビダーニャ！と彼は一方的に云うと、一方的に去って行く。
綺麗に折り畳まれた紙飛行機を、Aはポケットの中に突っ込んだ。
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柊あんず(プロフ) - 乳酸菌 チーズさん» こちらの方にもコメントありがとうございます！目……目、大丈夫ですか！？ムスカ大佐！？((( (2020年1月25日 21時) (
レス) id: 5d7d3376c6 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌 チーズ(プロフ) - 目ッ…目がァァ……！！！← (2020年1月25日 20時) (レス) id: df6c59ac1d (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 果汁ジノ％さん» 国木田さんがいたのはアニメですね！確認しましたがやっぱり原作のパーティーに国木田さんはいなかったのでもう既にあの時には捕まっていたんだと思います！よってこれは伏線ではありません……(笑) (2020年1月25日 19時) (レス) id: 5d7d3376c6 (このIDを非表示/違反報告)
果汁ジノ％(プロフ) - 原作では国木田さんもパーティーに出ていたような…まさか、逮捕の時期が早まったのも伏線なのか…！？ (2020年1月25日 19時) (レス) id: 119f59d457 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - ひいやさん» コメントありがとうございます〜！33話の伏線、そして腕の件は四部でちゃんと回収するのでご安心ください〜！「緑の灯」についてはフィッツジェラルド様の著者「グレート・ギャツビー」からの引用になるので、完全に史実ネタですね！ (2020年1月25日 11時) (レス) id: 5d7d3376c6 (このIDを非表示/違反報告)
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