検索窓
今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:36,938 hit

日常その18.この部の過去の話。 ページ41

そんな感じで楽しみもありつつ忙しい合宿は、あっという間に最終日の前日となっていた。







僕は1人、庭のベンチに座って夜空を見上げながら膝を抱えて考え込む。








敦「…あと少しで先輩達も引退、か…」









最後に、先輩達の為に何か出来る事は無いのだろうか。









太宰「敦君」









敦「あ…太宰さん」








太宰「如何したんだい?こんな寒い処に1人で」







敦「…高2の先輩達が引退されるのがもうすぐなので…何か最後に出来る事は無いかな、と思いまして…」








太宰さんはぱちくりと目を瞬かせて、「嗚呼、そう言う事ね」と笑った。









太宰「少し話そうか」









そう言って太宰さんは僕の隣に腰掛けた。









太宰「…この学校の吹部はね、一時荒れていた時期があったんだよ」








敦「え…」









太宰「それが高2の先輩達が中2で、私達高1が中1の時だった。






荒れていたのは知っていたけれど、入りたい気持ちが強かったんだよ、私達。
だから先生に何を言われても"入ります"って言って聞かなかったんだ。






けど…いざ入ってみたら、それは酷かったよ。







中1の指導もまともに出来ず、唯自分達のやりたい事をやるだけの高校生。
思春期なのもあって高校生にも先生にも団結して反抗する中3。







…唖然としたよ。
練習も合奏もまともに出来ず、顧問は今の森先生や福沢先生じゃ無い人だったから…放っておいたんだよね。







けれど、今の高2の先輩達…当時は中2だね。
あの先輩達だけはまともに練習していたんだ。
何を言っても相手は聞いてくれない、なら自分達だけでもきちんとやろう…って。








だから私達は自然と中2の先輩達に教えて貰いながら練習していた。
今高2の先輩達が、あの状況にどれ程我慢していていたのかは私達にも計り知れない事だよ」







敦「…相当な苦労をされたんですね」









太宰「そうだね…けれど、それだけで終わりじゃなかった」









太宰さんの瞳が僅かに揺らめく。









太宰「…今高2の先輩達の面子の中に居たのだけれど、今は居ないその中の1人が…




























学校ごと(・・・・)部活を辞めたんだ」









冷たい風がそよそよと僕等の髪を揺らした。

日常その19.一人の優しい先輩。→←日常その17.それぞれの部屋にて。(女子編)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
37人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 学スト , 吹奏楽部   
作品ジャンル:ギャグ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あっぴー - 私はホルンやってます。あるあるすごい共感しました合奏とかで音はずすとよく先生ににらまれます… (10月29日 18時) (レス) @page15 id: 9335c42a96 (このIDを非表示/違反報告)
Hiro(プロフ) - 指揮棒折れるのわかります!と言ってもうちの学校棒ないんで金属の棒で叩いてそれが曲がるんですけれど。初コメ失礼しました (2021年12月8日 6時) (レス) @page21 id: 86439a7187 (このIDを非表示/違反報告)
くれーぷ/紅花(プロフ) - koiさん» コメントありがとうございます!おお、私の好きな楽器← 私もチューバなのでよく言われて苦労していました…(^_^;) 共感して下さる方がいて嬉しいです♪ ありがとうございますm(_ _)m (2018年9月17日 8時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
koi - お初です!私はユーフォやってます!4話目の中也がアンブッシュアで悩んでいる場面を見て、私もよく、アパーチャーが空いてないとか注意されているので親近感がわきました!更新頑張ってください! (2018年9月16日 19時) (レス) id: 86e16ba69c (このIDを非表示/違反報告)
くれーぷ/紅花(プロフ) - 楓さん» コメントありがとうございます!宝島!懐かしい…あのアルトサックスのソロカッコいいですよね〜聞いてて凄く憧れてました笑 (2018年5月3日 16時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:くれーぷ | 作成日時:2017年10月26日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。