【文スト】文豪達の吹奏楽部は今日も活動中です。

パート練習その2.サックスとフルート・オーボエの場合 ページ4

《中也》

そういや、中也さんっていつもは1人なんだよね。









たまに曲によって太宰さんがバリトンサックスやったりするけれど…









普段どんな練習しているんだろう？









少し覗いてみよう。









(B♭を吹いている)

中也「…チッ、クソッ…何で合わねぇんだ」





あー少しイラついてますね…









中也「…アンブシュア(口の形)が悪いのか？(またB♭を吹く)…お、合った」









おぉ…上手いな、中也さん。
1人だと音が響いて聞こえやすいし、そういうのちゃんと分かったりするのかな？









その時、向こう側の扉が開いた。









エリス「チューヤ！！一寸良い？」




中也「あ、エリス嬢。如何しました？」




エリス「キョーカと2人で音合わせてるんだけれど、なかなか合わないの。だからチューヤ、教えてくれない？」



中也「勿論良いですよ」









中也さんがそう答えると、エリスちゃんは嬉しそうに笑った。









先輩として頼り甲斐があるもんなぁ。









太宰さんが「中也は変な所で真面目なんだよねぇ」って言ってたっけ。









でも中也さん、そういう一面もあって吹部外の女子に人気だもんなぁ。









本人は歩くだけで騒がれたりするからあまり嬉しがってないみたいだけど。









でも素敵だな、僕もあんな先輩になれたらなぁ…









太宰「如何したの敦君こんな処に突っ立って」





敦「だ、太宰さん！？あ、いや…一寸考え事をしていまして」






太宰「ふぅん………ま、良いや。君も練習頑張り給えよ、君のトロンボーンは良い音鳴るんだから」








そう言って太宰さんは去って行った。









…何気にさらっと褒められちゃった。
あの太宰さんに褒められたんだ、嬉しい。









……何か背中に殺気を感じたのは気の所為だと思いたい。

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