【文スト】文豪達の吹奏楽部は今日も活動中です。

パート練習その6.フルートとオーボエの場合。2 ページ26

《鏡花side.》

ルーシー「…新しく入った、フルート兼オーボエのルーシーよ。宜しく」









エリス「わぁ、これで3人になるのね！吹ける所が多くなるし、嬉しいわ！！」









鏡花「…一緒に頑張ろう」









ルーシー「え、ええ…」









鏡花「…でも…あの人だけは、譲らない」









そう言うと、彼女は此方を睨み、









ルーシー「上等よ、手加減なんかしないわ。覚悟なさい」









と宣戦布告を返された。









エリス「ち、一寸2人共！パート練習の時くらい仲良くしなさいよ！今だけ仲良くやりましよ、ね？」









鏡花「…エリスが、そう言うのなら」









ルーシー「…はぁ…まぁ確かに、パート練くらいはきちんとやらないとね」









鏡花「…チューニング、やろう」









そして新しい面子でのパート練習が始まった。
前からやっているのもあって、矢っ張りルーシーの方が上手い。









それが少し、悔しかった。









鏡花「…」




その時、ガチャと扉が開いた。









敦「あっ…居た居た、鏡花ちゃん！」









鏡花「…敦？」









敦「これ、新しい譜面だよ。はい、2人にも」









鏡花「…有難う」
エリス「わぁ、クラシックなんて久々だわ」
ルーシー「これ…ソロが少し難しい曲じゃない」









敦「それなんだけど…森先生が、この曲のソロは鏡花ちゃんが良いんじゃないかって」









鏡花「…えっ」









敦「この曲だったら1番合うのは鏡花ちゃんだって言ってたんだ。僕も鏡花ちゃんの綺麗な音、好きだし良いと思う。







だから…これしか言えないけど、初ソロだけど頑張って！応援してるから」









敦はそう言って微笑む。









…嗚呼、この人はなんて優しいのだろう。









鏡花「…うん、有難う。頑張る」









敦「うん！あっ、もうこんな時間…僕も練習しないと！じゃ、また後で！3人とも頑張ってね！」







(扉が閉まる)







ルーシー「…矢っ張りトラ猫ちゃんは良い子ね」









ふ、と隣で優しく微笑むルーシー。









鏡花「…うん。あの人は、凄く優しい人…だから…」









エリス「だから？」









鏡花「な…何でも無い！///」









その先の言葉は恥ずかしくて言えなかった。
それを見たルーシーが「ふふっ」と微笑んだ。

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