☆ 04 ページ47
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ふと、目を覚ます。
どれくらい寝たかな。
もう真っ暗じゃん。
廉くん、部活終わったかな。
明日、勝てると良いな。
そしたら全国大会も観に行くもんね。
…なーんて、本当は毎日
ずぅーっと廉くんのことで頭がいっぱいだけど
いつも廉くんの前では、
素直に甘えられなくて
可愛くない自分になってしまう。
本当は部活だって見に行きたいんだよ?
だけど
廉くんのこと好きな女の子たちがたくさんいて
私よりも可愛い子だって綺麗な子だって。
いつもギューってしてくれるけど
それでもやっぱり不安になってしまうの。
また、眼を閉じると
脳裏に浮かぶのは、廉くんの優しい笑顔。
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___________泣き虫さんやなあ、Aは。
___________強がんなや、アホ。
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耳元で優しく囁く、
廉くんの声が聞こえた、気がした。
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もう一度目を開けると、
目の前には私の右手を優しく握る
廉くんが居たの。
『廉くん、、なんで…?』
「俺の特技、Aの強がり見破ることやもん」
『ふふっ(笑)なにそれ。笑』
「はいはい、またしんどくなるから寝とき。」
.
そう、廉くんはいつだって
私のちっぽけな強がりを見破ってくれる。
私の、強く握った右手に気づいてくれたのも
廉くんが初めてだった。
廉くんは、私の掛け布団を綺麗に直して
まるで小さい子を寝かしつけるように
頭を撫でてくれた。
廉くんの手が優しくて
私が再び眠り着くまで
そう時間はかからなかった。
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作者名:Raine. | 作成日時:2020年5月26日 19時