原因 ページ7
「・・・・・。」
ス「・・・・。」
しばらくして、Aは俺の言葉を聞いて静かに
立ち上がる。
そして、バルコニーから部屋の方へと歩き出した。
「・・・・。」
ス「・・・！うぉおい！部屋に帰るのか？」
ザ「・・・。」
しかし、Aは部屋に入るとそのまま浴室には
直行せず。
Aは部屋を出て行こうと、部屋の扉に手をかけた。
ス「・・・・・。」
「・・・・・・・。」
俺はAを呼び止めたが、Aは何も言わず、
振り向きもせず、頷きもせず。
そのまま部屋を出て行ってしまった。
Aは自分の部屋に戻ったのだろうか・・・。
ス「・・・うぉおい・・・何があった・・・。」
ザ「・・・。」
俺はAの出て行った扉をしばらく見つめていたが、
ザンザスへと視線を戻し、問い詰める。
しかし、ザンザスはAと同様に何も言わなかった。
ス「・・・。」
俺はそんな黙ったままのザンザスを見つめながら考える。
Aがああなってしまった原因に・・・
俺は心当たりがあった。
ス「・・・もしかして・・・Aに何か言ったか。」
ザ「・・・・。」
俺は沈黙を破り、ザンザスに話しかける。
するとザンザスは、俺のその言葉を聞いて、
俺に睨むような視線を向ける。
Aが俺の返事に頷かないのも、
あんな表情をしていたのも。
あの時の事と関係があるのではないだろうか。
ス「・・・・愛してる・・・。」
ザ「・・・・。」
俺がその単語を口にするとザンザスの表情が
僅かにピクリと反応した。
ス「Aに・・・そう言っただろぉ・・・・。」
ザ「・・・・。」
俺が前に、Aに「愛してる」と言った時。
Aは呼吸困難になり、意識を失った。
そして、
次にAが目を覚ました時。
Aはその時の事は何も覚えていなかった。
あの時は記憶が飛んだため、何事も無かったように
日常に戻ってしまったが。
もし、あの状態で、
記憶が残っていたままだったら・・・。
さっきのAのようになっていても、おかしくなかったと
あの時の状況を思い出して思ったのだ。
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月30日 10時
