涙 ページ40
ル「Aちゃん・・・スクアーロの事が心配なのよね・・・？」
「・・・。」
私はルッスーリアの質問に黙って頷く。
すると、ルッスーリアは寂しそうな表情を浮かべ
私を見つめた。
ル「じゃあ・・・なんで今ここにいるのかしら？」
「・・・・・・・。」
ルッスーリアはさらに私に質問する。
それは・・・
ボスにここにいるように命令されたから・・・。
私は道具。
ボスの指示に従うだけ・・・
「・・・・・・。」
そう強く思えば胸の奥がチリチリとする。
目に見えない、その塊が強く締め付けられる感覚がする。
「・・・・。」
こんな私をいつも心配してくれて・・・
優しくしてくれて・・・
助けてくれるスクアーロ。
こう、今思えば、
彼は私にたくさんの愛情を与えてくれていたのだ。
でも・・・。
ル「・・・ボスにここに居るように言われたのかしら？」
「・・・。」
そう・・・
私がここに居るのはボスの指示。
ボスがそう命令したから。
道具の私は指示に従わなければならない。
そうしないと、
そうでないと。
道具の私は・・・
捨てられてしまうから。
ル「・・・。」
「・・・・・。」
そんな事を考えていると、ルッスーリアは私の頬に
手を伸ばし、指で何かを拭う。
ル「Aちゃん。人間には自分の意志ってものがあるでしょう？自分の感情・・・・思い・・・それらを見なかった事にしたり、その気持ちを無視し続けるとね・・・苦しいのよ。」
ルッスーリアは悲し気な表情で私を見つめる。
ル「Aちゃん・・・今、苦しんでるのよ。」
「・・・。」
私はルッスーリアのその言葉に、強く自分の胸元を
握りしめた。
苦しんでいる・・・？
今、この胸の奥がチリチリと痛み、
気持ち悪いこの感覚は・・・
私が苦しんでいるという事？
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月30日 10時
