愛になる ページ38
ル「Aちゃん・・・・あなたも私達に何かあったら私達を心配してくれるでしょう？」
「・・・・。」
私はルッスーリアを黙って見上げて頷く。
するとルッスーリアは私の頭から手を離し、
部屋の隅にある棚へと向かう。
ル「Aちゃん・・・その大切に思う気持ちが強くなると何になると思う・・・？」
「・・・・。」
大切に思う気持ち・・・。
相手を思いやったり、
心配したりする気持ちが強くなる？
強く思う事の先があるのか。
大切に思う気持ちに強弱があると考えた事も
無いので、思考が追いつかない。
ル「相手を思いやる気持ち、心配する気持ち、大切に思う気持ちが強くなるとね・・・。」
「・・・・・。」
ルッスーリアはそこまで言うと私の方へと振り返る。
ル「・・・それは愛になるのよ。」
そして、ルッスーリアは私に優しく微笑みかけた。
ル「だから、相手を大切に思う気持ちは愛と同じなのよ。私達は常に、相手に愛を与え合いながら生きている・・・。」
「・・・。」
ルッスーリアはそう言いながら棚に手を伸ばす。
ル「相手に対してその愛の大きさ、強さが違うだけで・・・・私達は日常で愛を受け取ったり、逆に愛を与えたりして生活しているのよ。」
ルッスーリアが手を伸ばしたその先には伏せるようにして
写真立てが置いてあった。
ルッスーリアはその写真立てをそっと手に取る。
ル「今のAちゃんの気持ちの大きさや強さは私達には分からないけれど・・・Aちゃんが今、スクアーロの事を心配しているその気持ちは愛でもあるのよ・・・。」
「・・・・。」
手に取った写真立てを眺めると、ルッスーリアは
小さな笑みを浮かべる。
ル「そして私達がAちゃんの事を心配するこの気持ちも愛・・・。Aちゃんは愛されているのよ・・・。」
ルッスーリアは私に再び近づくと、手に持っていた
写真立てを差し出した。
私はその写真立てを受け取る。
棚に伏せて置いてあったその写真立てには・・・
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月30日 10時
