山積み書類 ページ35
Aside
「・・・。」
私は目的も無く、城の中を歩き回っていた。
長い廊下を進み、階段を上る。
頭の中を空にしながら私は黙って歩を進めていた。
「・・・。」
しかし、
そんな中でも思い出されるのは先程の事。
ボスが部屋を出て行く直前。
ボスは私に待機を命令した。
その時。
１人置いて行かれてしまった部屋で、私は気持ちの悪い
感覚に襲われたのだ。
この感覚が何なのか。
私には全く分からない。
この感覚を早く忘れてしまいたくて、私はボスの
部屋から出た。
何も考えないようにして。
ただただ、私は歩き続ける。
「・・・・。」
目的も無く歩き回っていたハズなのに。
気が付けば、私は見覚えのある扉の前に立っていた。
無意識に進んでいたのだろうか。
そこはスクアーロの部屋だった。
「・・・・。」
ガチャ・・・・
私はしばらく、その扉を見つめていたが
ドアノブに手を掛け、扉を開く。
「・・・・・・・・。」
私は、部屋の中を見て動きを止める。
思っても見なかったその光景に、私は驚いたのだ。
開け放たれた扉の先、
スクアーロの部屋は・・・書類で溢れかえっていた。
「・・・・・。」
昨日から、スクアーロが帰って来ていないと
言っていたが。
それでもここまで書類仕事が山積みになってしまう
事はないだろう。
この書類の量は、数日分の仕事が貯まっている
ように見える。
「・・・・。」
私はここ最近、今までの半分ほどの
仕事しかしていない。
そんな事あるのかと疑問に思ったのだが。
仕事の少ない時期だと私は聞かされていた。
しかし。
「・・・。」
この部屋を見た感じだと、そんな事は無いようだ。
だとしたら、なぜ私に仕事が回って来ないのか。
「・・・。」
私は主の居ない部屋を勝手に探索する。
部屋は書類で溢れかえり、ファイルされた資料や
新聞などが床に散乱していた。
スクアーロがいつも座っている机には、書類の山に
埋もれるようにして、湯気を失ったコーヒーが
飲みかけの状態で置かれている。
ガチャ・・・
ル「！！・・Aちゃん！？」
「・・・。」
そんな時、部屋の扉がいきなり開く。
見れば、部屋に入って来たのはルッスーリアだった。
ルッスーリアは私が部屋に居た事に驚いている。
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月30日 10時
