夜空を見上げる鮫と月 part８ (ページ4)

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死にかけページ4

ザ「・・・・・」

理解できなかった。

普段からあんなに無表情で、反応の乏しいAが
どうしてこんな事になったのか。

俺が愛していると言った途端にこの状況だ。

　ザ「・・・。」

俺は床に倒れているAの片腕を強引に耳から
引きはがし、そのまま体を引き上げる。

Aは自力で立ち上がる気力は無い様で、
ぶら下がるような形で体が宙に浮く。

　ザ「・・・なんて面してやがる。」

　「・・・。」

俺はそんなAに話しかける。

Aは答えない。

そして俺の目すら見ていない。

その目はどこか遠く、ここではないどこかを見ていた。

　ザ「・・・A・・。」

　「っ！」

俺がAの名前を呼ぶと、Aは体を
ビクつかせた。

しかし、目は合わせない。

　ザ「・・・俺を見ろ。」

　「・・・・・。」

俺は空いていたもう片方の手でAの顔を掴み、
顔を俺に向ける。

俺は無理やりAと目を合わせたが・・・

Aの目は先程と違い、生気を失い・・・

俺を映しはしなかった。

　ザ「・・・。」

　「・・・。」

俺は何をした・・・？

俺はただ、愛していると言っただけだ。

それだけでこんな事になってしまうなんて、
本当に理解ができなかった。

この俺様に、こんな態度を取るのだ。

Aにとってこの言葉は一体どんな意味を
持っているのか・・・。

　ザ「・・・・・。」

　「っ・・・・・・・・・・・。」

俺がAから手を離すと、Aは崩れ落ちる
ようにして、受け身を取る事無く床に倒れた。

安定しない呼吸を繰り返しながら震えるその姿は

まるで・・・

ザ「・・・。」

死にかけているようだった。