独占 ページ2
ザンザス side
薄暗い部屋、飲む酒はウイスキー。
場所は違えど、いつも通り。
グラスを傾けると、氷がカランと音を立てた。
ザ「・・・。」
俺はホテルの自室で１人、酒を飲む。
トントントン・・・ガチャ・・・。
「・・・。」
ザ「・・・。」
そんな部屋に響き渡ったのはノックの音。
静かだった部屋に入ってきたのは黙ったままのAだ。
ザ「・・・来い。」
「・・・。」
扉の前に立ち続けるAを俺が呼ぶと、
Aは俺に近づく。
俺は持っていたグラスをテーブルに置き、近づいた
Aの腰を抱き寄せ、自分の膝の上に座らせた。
Aは浴衣から着替え、白いネグリジェを着ている。
相変わらず露出度の高い服だ。
しかし・・・
この姿を見れるのは今は俺だけだ。
「っ・・・。」
ザ「・・・。」
俺はそんなAを抱き寄せながらAにキスをする。
「ぁ・・・っ・・・・・。」
舌を差し込み、口内を撫で回す。
するとAは甘い吐息を漏らし続ける。
Aの体は敏感だ。
キスだけでこんなに顔を蕩けさせている。
ザ「・・・・。」
「っ・・・。」
俺はキスをしながらそんなAを見つめる。
俺はAの事を気に入っている。
俺に拾われ、忠誠を誓い。
汚い仕事をこなし、全てを俺に捧げる。
そんなAを愛おしいと思わない訳がなかった。
Aは勝手にふらふらと俺から離れていく猫のような
ヤツだが、最後には俺の所に帰って来る。
それが分かれば十分だった。
あのカスザメがAの事を特別な感情で見ている事は
知っている。
だが、俺はそれを黙認した。
Aが誰を好きになろうが、
誰に抱かれようが
関係ない。
Aの居場所はココだけだ。
カスザメも同じようなもので、俺からは
死んでも離れない。
そんなヤツらが俺の目の届く所で何をしようが
俺にとっては許容範囲内だった。
「っ・・・ぁ・・・ぅ・・・。」
ザ「・・・。」
Aは目を閉じたまま、俺の舌使いに翻弄されている。
俺は一度キスを止め、顔を離す。
するとAは目を開けてAは俺を見つめた。
その瞳は俺だけを映している。
ザ「・・・。」
俺はこの状況に満足している。
今、Aを独占しているのは俺だけだ。
ザ「A・・・愛してる・・・。」
俺は自分の想いをAに告げる。
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作者名：猫のこたつ | 作成日時：2019年7月30日 10時
