雲が聴くのは月の歌 part３ (ページ20)

今日:2 hit、昨日:17 hit、合計:78,577 hit

少しずつページ20

獄「・・・A？どうする？」

　「・・・・。」

獄寺君がそうAちゃんに聞くと、
Aちゃんは申し訳なさそうに首を横に振った。

一緒には食べない。という事だった。

「・・・。」

Aちゃんは俺達に頭を深く下げる。

　山「Aそんな謝んなって！俺達は気にしてないからよ！」

　ツ「そうだよ！頭上げて？」

　「・・・。」

俺と山本がそう言うとAちゃんはゆっくりと
頭を上げる。

その表情はちょっと複雑そうな表情だったけど、
笑っていた。

　山「また今度、一緒に食べような！」

　獄「じゃあA、またな。」

　ツ「Aちゃん、またね！」

俺達はAちゃんにそう言うと購買へ向かう為
Aちゃんと別れる。

Aちゃんは俺達と別れる時、手を振ってくれた。

その時のAちゃんの表情は柔らかかった。

俺達はそんなAちゃんの表情を見て安堵する。

俺達が今までのようにAちゃんを屋上へ連れて
行っていたらこの表情は見れなかっただろう。

俺達と過ごしてくれないのはちょっと寂しいけれど、
今はまだ急ぐ必要は無い。

きっとAちゃんもいろいろ考えているのだ。

少しずつ。

少しずつ。

Aちゃんが俺達と一緒に居たいと思ってくれる
まで、いろんな事に誘ってあげればいいのだ。

俺はそんな事を考えながら、２人を待たせて、
購買で弁当を買った。