雲が聴くのは月の歌 (ページ32)

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「＊＊＊＊」ページ32

Aside

私は新しい自分の部屋でベットに
寝っ転がっている。

　「・・・。」

思い出すのは今日の出来事。

私の人生初の学校生活は最悪だった。
階段から落ちたり、気絶したり・・・。

　「・・・。」

京子ちゃんと花ちゃんは私に謝ってきた。

沢田君も山本君も隼人も・・・
皆が心配してくれていた。

私は・・・あの場に居られなくなって・・・

隼人を・・・皆を・・・拒絶してしまった・・・・。

あの時の皆の驚いた顔。
隼人の顔が頭から離れない。

私は・・・１人になりたかった。

隼人が私の事を心配しているのは分かっている。
よくわかっている。

だけど・・・

それが苦しいのだ。

私は目を閉じる。
そこには真っ暗な暗闇が広がっている。

その暗闇に包まれれば、自然と心が
落ち着いていく・・・。

この暗闇は私を呼んでいる。

終わりにしようと私に呼びかけている。

私の意識がどんどん暗闇に飲まれる・・・。

あぁ・・・

このままこの声に導かれてしまえばいいのに。

私は１人でいたい。

こんな私の事なんて放って置いて欲しい・・・。

私を助けたいだなんて思わないで・・・。

だって・・・

私は・・・ずっと・・・・・

　「＊＊＊＊」

暗い闇に溺れて行く。

私は暗く沈む心と一緒に眠りの中に落ちて行った。

そして今日も、私は最後に聞き逃したあの声を探して。

あの日の夢を見るのだ。

何度も、

何度も・・・

繰り返して・・・。