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景色 ページ2
空を覆うように広がる黒い雲から
大粒の雨が私に向かって真っすぐと
降って来る。
私は座り込みながらその雨を受けていた。
そこは汚い裏路地で、私の周りにはゴミが
散らかっている。
「・・・・。」
私はもう、何も考えられなかった。
何も考えたくなかった。
無我夢中で
走って、
走って、
何度転んでも、
それでも走り続けて。
足が痛くて。
お腹が空いて。
それなのに私はまだ生きていた。
「・・・。」
私の頬を温かい雨が流れて行く。
私の・・・せいだ・・・
凄く悲しくて、
寂しくて、
私は泣きじゃくっているハズなのに、
私の口から音が出る事はなかった。
雨に打たれ、泣き疲れて、座り込みながら
静かに目を閉じれば
そこに浮かぶのは
あの時の
真っ赤な景色だった。
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作者名:猫のこたつ | 作成日時:2019年10月29日 16時