終天に巡り逢うⅣ (ページ11)

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『私、伴侶になったんですか…？』

「は？」

『え？』

「…」

『…』

見つめ合う私たち。

「おまえ…ウルド様に滅茶苦茶にされるぞ」

『え！？』

「いや、そういう関係だろ？違うわけ？」

『ち…違…わない？と思う…』

一緒にいると言ったし…愛してるとも言われたし…そういうことだよね？

「あーあ。ウルド様に言ってやろー」

『え！？やめてくださいよ！間違いなく私が危ないですよね！？』

危険な匂いしかしないんですけど！

「んー……手遅れかな」

『は？』

ほら、と後ろを指差されると同時に背後に誰かが降り立つ音がした。

あれれー。嫌な予感がするぞー。

思わず死んだ顔になる私を見てルクさんは笑う。

「A」

そっと後ろを振り返る。
そこにはいい無表情をキメているウルド様が私を見下ろしていた。

これはまずい。

へら、と笑い、そして駆け出す。

「あらら。貴方の可愛い伴侶は鬼ごっこを所望のようですよ」

「そのようだな。捕まえた可愛い小鳥はどうすべきだと思う？」

「そりゃー…美味しく頂くんじゃないですか？」

「ではそうしよう」

冴え渡る聴覚が、後ろのそんな危険な会話を拾う。

捕まったら死ぬ。間違いなく死ぬ予感がする。物理的にじゃないけど。精神的にだよ。
無意味だと分かっているが、柄にもなく必死の形相で当てもなく走り抜ける。

「…で？」

『っひ！？』

ふわり、と後ろからあのほろ苦い香りがしたと思ったら耳元で聞こえた低い声と、お腹に回された腕。

「どう食べさせてくれる？」

『ひぇっ』

背中がウルド様の胸元にぴったりと引き寄せられて、耳元を甘噛みされる。
逃げようとするが、びくともしない。
この細腕のくせに！どこにそんな腕力があるんだよ！？ハイ吸血鬼でした！

「A」

甘く、危険な色にぶわっ、と背筋が粟立つ。

『っひ、！やめ…！耳はダメです！』

「何故？」

『な、んか…っ無理…！ぞわぞわするんです！』

「ほう。それは良いことを聞いたな」

と、愛でるように耳朶を甘噛みしてくるウルド様。
脚に力が入らなくなってきたんですけど！腰にもクるし！大人の色気！やめて！今世ではまだ高校生なの！未成年！アダルティーよくない！ダメ！絶対！

『…っとに、やめてください！』

「愛情表現はすべきだろう？何せ伴侶だという自覚がないようだからな」

『とか言って揶揄ってるだけでしょう！？』

「まぁ…一部な。だが、思ってたよりいいな」

『何がです！？』