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北斗がすぐ近くにいて、自分の目覚めたばかりの顔を見ている。


その状況自体がまだうまく飲み込めない。


「どうかなさいましたか」


北斗が穏やかに問う。


Aは少し迷ってから、小さく言った。


「……起きたら、北斗さんがいらしたので」


その答えに、北斗はほんの少しだけ目を見開き、それからまた静かに笑った。


「ええ。おります」


その“おります”の言い方が落ち着いていて、でも少しだけ嬉しそうで、Aはますます頬が熱くなる。


北斗は枕元へ片肘をついたまま、やわらかく言う。


「昨夜も思いましたが、やはりまだ少し不思議ですね」


「何がですか」


「こうして朝になっても、Aさんが隣にいてくださることが」


朝の光の中でそんなことを言われると、夜とはまた違って照れくさい。


けれど、その照れくささの奥に、どうしようもなくあたたかいものがあった。


「……私も、少しだけ」


そう返すと、北斗の表情がふっとほどける。


「少しだけ、ですか」


「少しだけ、ではないかもしれません」


言い直すと、今度は北斗が少し声を立てずに笑った。


その笑い方が、昨日までのどの場面よりも自然だった。


名家の嫡男として整えた顔でもなく、婚礼の場で見せる凛とした表情でもなく、ただ北斗という人のやわらかな顔だった。


それを見て、Aの胸の奥もじんわりあたたかくなる。


「……そんなふうに笑われるんですね」


思わず零すと、北斗が少しだけ首を傾げる。


「変ですか」


「いいえ」


Aはそっと首を横に振る。


「なんだか、うれしくて」


北斗はその言葉を聞いて、少しだけ黙った。


それから、静かに言う。


「私もです」


その返事が、朝の空気にすっと馴染む。


しばらく、二人の間に静かな時間が流れた。

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mauri(プロフ) - (^-^)さん» コメントすごく嬉しいです、!こちらこそお付き合い頂けて本当に有り難いです、!後日譚でもキュンキュン用意してますので、是非よろしくお願いいたします! (3月22日 1時) (レス) id: 29c379210f (このIDを非表示/違反報告)
(^-^) - とても楽しく読まさせて頂きました。心温まるストーリーとお言葉に、キュンキュンさせられました。続篇とても嬉しいです。これからも楽しみにお待ちしております。 (3月22日 1時) (レス) @page50 id: 0f3b89c895 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mauri | 作成日時:2026年3月14日 23時

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