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タイトル 1 ページ2

A「私達、別れよう?」





ついに口にしてしまった言葉は、雨と共にこぼれ落ちていった。





彼は人気者で、私はただの一般人だ。





そもそも、初めから住む世界などは違ったわけで。





彼、“藤原樹”と出会ったのは約3年前になる。





彼が所属している大学のサークルが、私のバイト先である居酒屋に来店したのがきっかけだった。





とても喜ばしいことに樹くんが私に一目惚れしたのと、樹くんからの猛烈なアプローチで付き合うことになった私達は、樹くんの友達のみんなが認めてくれている。





所謂、公認カップルというやつで。





樹くんと別れるということは、樹くんからの愛と、認めてくれたみんなの信頼を裏切るような行為だけれど、でも、それでも。





A「疲れてしまった。」






そう、疲れてしまったのだ。





樹くんのことは大好きだし、愛している。





けど。





A「愛しているの。けどね、樹くんが他の女の子たちにチヤホヤされているのも、それに笑顔を向ける樹くんにも、樹くんに見合う女の子でいなきゃいけないっていう周りの人達の目も。全部に疲れた。」





藤原「…、」





樹くんの悲しそうな、泣き出してしまいそうな顔は、いつぶりに見ただろうか。





愛する人のそんな顔を見ても、私の口から出てくる言葉は溢れてしまって止まらなかった。





A「私が樹くんのことを嫌いになる前に、樹くんが私のことを嫌いになる前に、別れよう。」





藤原「お、れは、!」





A「ばいばい、藤原くん。」





彼の言葉を聞きたくなくて被せたその言葉は、なんだかとても重く感じた。

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作者名:もじゃ | 作成日時:2022年12月16日 22時

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