【文スト】何色にも染まらない私の居場所 (ページ19)

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外に出ると、すでに夕方。
自分の胸の中に可愛いペンギンのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめ、
覚束ない足を確かに一歩ずつ踏みしめていた。

「あ、あの！」

遠くから聞こえた声。近くに走って来るのは、この前会った探偵社の夜桜ちゃんだった。
中也はしかめっ面をして、口にした。

中也「あ？探偵社の奴が俺達に何の用だァ？」

夜桜「やっと会えた…会いたかったです。莉奈姉さん、私の事覚えていませんか？」

その一言で私と中也は固まり、少しの間の後、『はぁ？』とリアクションをとった。

私は、中也の姉であり、中也は私の弟。
姉弟なんて、これ以上いないはずだった。

A「えっと、、多分人違いかと…あ、もしかして迷子？
なら、あっちにサービスカウンターあるから聞いてみたらどうかな？
大丈夫？？？一人で行ける？」

流石に、"ちゃんと監督しとけよ、バーカ"なんて探偵社に連絡入れることもできなければ、
今から、探偵社に送っていくにも、中也は絶対に反対するのは間違いない。
…ましてや、ここからサービスカウンターまで向かうこと自体が少し自分的にしんどい。

中也「なんだ迷子だったのかなら俺が連れてってやろうかぁ？」

…まるで子供に話しかけるように優しい声で中也が話しかけたものの、
『迷子になってませんから！それに子供扱いしてますけど、こう見えて２２歳の立派な大人なんですけど！？』と口にした。

………成人しているとは、世も末だね。。。

夜桜「話を戻しますが本当に覚えてませんか？」

A「覚えてるも何も、昨日案内してくれた子としか覚えてないし…
それに"姉さん"って云っていたけれど、そう言われるほど貴方と親しくなった覚えはないんだけど」

中也「俺も同感だ。話はそれだけか？じゃ、俺たちは帰るな」

夜桜「そんなｯちょっと待っ＿＿＿」

「こんなところで何をしているんだい？夜桜」

声の主は太宰だった。
夜桜ちゃんも驚いていて、太宰の名を口にした。