この世界は不条理で。90 ページ8
いつの間にか寝ていたらしい
朝日が目にかかり、起きると
そこにあの男性の姿はなかった
話も聞かないで寝てる私に呆れて帰ったに違いない
きっと、そうだ
そんな事を考えていたら、
看護師さんが朝のご飯を持ってきた
「あら、今日は随分と早起きだね」
A「……まぁ」
目を逸らし答えると、
病院専用のテーブルに朝食の乗っているトレイを置いた
「残しても大丈夫だからね
ちゃんと、食べよう？」
昨日は、朝も昼も夜も手に付けなかった
…と言うより、食べる気分じゃなかった
今もそう
出て行った看護師
僕はベッドにまた、横になった
視界に入って来たのは、トランプのケース
そのケースはどこか懐かしく、手に取る
中を見ると、
不規則に入っているカードたち
パラパラと全体的に見ていくと、
思わずまた見直した
何度も見直しても、
A「ジョーカーが一枚足りない…」
必ず、トランプはジョーカーが二枚入っている
なのに、これは一枚しか入っていない
A「何処で落とした＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿」
"落とした"…？
トランプは、私のモノなの？？？
そんな考え事をしていると、
お父さんが入って来た
トランプをいじっている私に一瞬、戸惑ったように見えた
A「…これは、私の？」
その質問に頷くお父さん
『そっか』
と呟く
炎司「今日、お前は退院する」
A「………その後、特殊な収容所にでも輸送するの？」
炎司「"タルタロス"に、お前は輸送しない」
その言葉を疑った
…だが、お父さんの目に偽りはなかった
炎司「窮屈だが、ずっと家に居てもらう
何か、要望があったら言ってくれれば
全力で応えられるようにはする
本でも何でもいい
…何かがあれば、言ってくれ」
『退院は昼前だ』
と言われた
炎司「俺の娘が迎えに来る
緊張しなくていい」
逆に言われると緊張するんですけど…
そう思いつつ、言葉にはしなかった
トランプをしまい、
机に置いてぼやぁとしていると口をへの字にしたお父さん
炎司「…朝飯、食べないのか？」
A「………お腹減ってない」
炎司「昨日、一口も食べなかったのにか？」
その言葉に何も言えなかった
炎司「看護師にも言われただろう？
残しても構わない、と」
その言葉に頷くと、
『なら少しでもいいから食べろ』
と言われた
しょうがなく、箸を持ちご飯に手をつけた
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冷燈（れいひ） - 色々ミスりました。改めて、とても面白かったです (2021年12月21日 22時) (
レス) @page16 id: d89adcd8f7 (このIDを非表示/違反報告)
冷燈（れいひ） - なんでもないです (2021年12月21日 21時) (レス) id: d89adcd8f7 (このIDを非表示/違反報告)
冷燈（れいひ） - 神作品だと思いました。ただ、誰サイドとか、書いたほうがわかりやすいと思います。燈矢（荼毘）とはやくかかわせた (2021年12月21日 21時) (レス) @page23 id: d89adcd8f7 (このIDを非表示/違反報告)
シロナ - すごく面白い！この作品大好きです！応援してます！更新待ってます！ (2020年7月11日 12時) (レス) id: 9abb99f391 (このIDを非表示/違反報告)
松城美樹(プロフ) - ゆくさん» ｱｱｱｱｱｱ、コメントありがとうございます！近々、また更新する予定なので、楽しみに心待ちしていただけるとありがたいです！ (2020年1月26日 22時) (レス) id: 47911afd1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：松城美樹 | 作者ホームページ：https://twitter.com/matsushiro_m
作成日時：2019年2月2日 14時
