この世界は不条理で。89 ページ7
A「貴方、誰ですか」
そう言うと、悲しい顔をする男性
不思議と怖くなくて、
男性をただただ見つめていた
黙っていた男性は、
口を開けたと思ったら何食わぬ顔で吐き捨てた
弔「…いや、人違いだった」
そう言って、暗闇へと消えて行こうとする男性を私は引き止めた
A「あのｯ…！」
理由はわからない
その呼びかけに対して、足を止めた男性
弔「………なんだ」
その一言に我に返り、
率直に質問した
A「人違い、って言いましたよね…？」
弔「……あぁ」
A「私と同じ名前なんですか？」
弔「………あぁ」
A「その人の話、聞かせてくれませんか？」
その一言に、男性は驚いたように見えた
そして、暗闇に何かを囁き私の近くにあった椅子に座った
弔「話す前に一つだけいいか？」
A「…あ、はい」
弔「どうして、お前と同じ名前の奴が気になる」
A「…貴方は、悲しい顔をした
貴方は『人違い』と言いました
どうして、その人をそこまで必死になって探すのかが私はわからないから
その人のことを聞いてみたいなって思っただけです
迷惑、ですか…？」
自分自身でも文になっていない文に思わず項垂れる
でも、気になったのは事実だ
いつかは覚えていないけど、読んだ本の中の人物も必死になっていた
必死になる理由が、私にはわからない
弔「迷惑、じゃない
…必死になっているのはきっと、心底大事だと
大切だと思い知らされたから
………居なくなってから気付くなんて、
遅すぎだろ？」
苦笑気味に話す男性は、真っ直ぐ私を見て話した
A「遅すぎても、早すぎても同じ結果に辿り着くのなら
別にどっちでも構わないと私は思います
計算の式の答えは決まっているけど、
その過程は数えきれないほどあるように
確実に解くためなら遠回りしても、
早く解きたいなら近道しても、
答えは一緒ですから」
しどろもどろになりつつも、言葉を紡ぎ合わせて話すと
男性は
『そうかもな』
と呟いた
A「………なんか、生意気言ってごめんなさい」
弔「……俺の大切な人は＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿」
私の謝罪には目もくれず、男性は話し始めた
男性の言葉から察するに、
とても賢くて、
キッパリと物事を決め、言えて、
厳しいようでとても仲間思いの女の人
とわかった
少し前とは変わって、
悲しい顔を男性はしないで話した
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冷燈（れいひ） - 色々ミスりました。改めて、とても面白かったです (2021年12月21日 22時) (
レス) @page16 id: d89adcd8f7 (このIDを非表示/違反報告)
冷燈（れいひ） - なんでもないです (2021年12月21日 21時) (レス) id: d89adcd8f7 (このIDを非表示/違反報告)
冷燈（れいひ） - 神作品だと思いました。ただ、誰サイドとか、書いたほうがわかりやすいと思います。燈矢（荼毘）とはやくかかわせた (2021年12月21日 21時) (レス) @page23 id: d89adcd8f7 (このIDを非表示/違反報告)
シロナ - すごく面白い！この作品大好きです！応援してます！更新待ってます！ (2020年7月11日 12時) (レス) id: 9abb99f391 (このIDを非表示/違反報告)
松城美樹(プロフ) - ゆくさん» ｱｱｱｱｱｱ、コメントありがとうございます！近々、また更新する予定なので、楽しみに心待ちしていただけるとありがたいです！ (2020年1月26日 22時) (レス) id: 47911afd1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：松城美樹 | 作者ホームページ：https://twitter.com/matsushiro_m
作成日時：2019年2月2日 14時
